サッカーチームの経済学|デロイト・フットボール・マネーリーグ2017年版
公開日:
:
最終更新日:2017/02/23
スポーツ
毎年デロイト社が発表するレポートの最新版 “Deloitte Football Money League 2017” をご覧になっただろうか?これは、欧州サッカーリーグにおいて、どのクラブが経営面で優れているのかを、収入やその内訳(テレビ放映権、試合観戦料、グッズ販売等)を公開して比較分析したものである。過去数年分をまとめて眺めてみると、クラブの盛衰だけでなく、国別リーグの栄枯も見えてくるはずだ。
photo credit: Bjørn Giesenbauer via photopin cc
さて、その最新版のみどころは以下の2点だ。まず第一に、11年連続で首位を守ってきたスペインのレアル・マドリードがトップの座からついに陥落。そして一位に返り咲いたのが、イギリスのマンチェスター・ユナイテッドだ。2位バルセロナと、3位レアルを含め、この3チームが欧州フットボールの、サッカーの面だけでなく経営面でもトップチームだということだ。
本レポートのもうひとつの注目点は、やはりイギリスのレスター・シティだ。「岡崎所属のレスターシティ奇跡の優勝と、これからのサッカー・データ革命」に書いたように、誰もが予想だにしなかった、まさかのプレミアリーグによって、収入は一気に5倍増となり欧州リーグの中でもランキングが急上昇となった。これは、リーグ優勝するということが、単に監督や選手のプライドを賭けたものだけではなく、経営者にとっては収益を賭けた勝負であることを示す数字と言えるだろう。
というように、今年の最新版レポートも大変興味深い数字が並んでいるので、サッカーファンはもちろん、データマニアにも、ぜひ以下のスライドとレポート本文をご覧いただきたい。
Amazon Campaign

関連記事
-
-
ウィンブルドン決勝ジョコビッチの優勝をデータで振り返る
さて先日の「テニス・ウィンブルドン決勝|ビッグ・データを制するのは誰だ?」にも書いたように、僕は今年
-
-
若き研究者フィギュアスケート町田樹のスポーツ文化論
2022年の冬季北京五輪の開幕も近づいてきた。ウィンタースポーツの代表例のひとつが、フィギュアスケー
-
-
打倒青山学院|来年の箱根駅伝をもっと面白くするこの5冊
青山学院の5連覇がかかる来年の箱根駅伝、僕もまた正月の2日間テレビの前に釘づけとなってしまうことだろ
-
-
フェイスブックのパーソナルデータが明らかにする、米国スポーツチームのファン境界線はココだ。
これまで何度か書いてきたが、フェイスブックのデータサイエンスチームというのは、いつも興味深いデータを
-
-
2023年第99回箱根駅伝・記憶に残るが記録に残らない激走|関東学連・新田颯の名勝負
今年の箱根駅伝は、駒沢大学の三冠達成にくわえ、古豪・中央大学の復活、そして東京国際大学ヴィンセントの
-
-
全米オープンテニスを Slam Tracker でデータ観戦しよう
いよいよ全米オープンテニスが始まった。それと同時に錦織圭の初戦敗退。大変残念だけれども、それだけグラ
-
-
スポーツ業界にデータ革命の波|NHK新番組「スポーツデータ・コロシアム」が面白い
NHK-BS 新番組「スポーツ・データコロシアム」 先日NHK-BS1 で放送が始まった新番組「ス
-
-
野村克也の頭脳とデータ|戦後初の三冠王そして名監督としての実績と名声
日本のプロ野球界に燦然と輝く実績と名声。戦後初の三冠王の栄誉を手にした名キャッチャーにして、監督とし
-
-
フットボールの経営学:欧州サッカー・マネーリーグ2014
以前「フットボール・マネーリーグ2013」で紹介した、"Deloitte Football Mone
-
-
東京オリンピック野球で導入された変則的決勝トーナメント
東京オリンピックの野球種目は、準々決勝でアメリカを倒し、準決勝で韓国を破った日本が、堂々の決勝進出を