科研費採択のお知らせ届く
公開日:
:
最終更新日:2021/04/02
研究・論文
昨秋に応募した科研費の採択通知が届いていた。大変にありがたい。今後一層がんばっていきたいと思います。
さて、申請書作成に当たって一番役立ったのが児島将康『科研費獲得の方法とコツ』というガイドブックだった。科研費獲得に向け、申請書をいかに「戦略的に書く」べきか、について解説した素晴らしいガイド。第1章で、審査の仕組みや直近の応募状況を概説し、科研費の基本的な理解を促す。第2章では、誰が審査員なのか、何が審査の評価ポイントなのか、という審査員側からの視点に立って、それではいかに申請種目や分野を選ぶのが効果的か、を解説していく。
photo credit: Guillaume Brialon via photopin cc
第3章が本書のメインで、申請書の各項目を、いかに審査員に訴求する形で記述していくかが述べられている。魅力ある研究課題名、取り組む意義をきちんと伝える研究目的、実現可能だと思ってもらうための研究計画等々。著者らが実際に申請に用いた資料までが公開されており、しかも「よい事例」「わるい事例」までが紹介され、その一つ一つが極めてリアル。
だからこそ大変に参考になる資料となっており、ここまでオープンに語ってくれた著者とその共同研究者の方々に感謝すること間違いなしの一冊。実例として挙げられているのは自然科学の研究トピックだが、審査員が読みやすく理解しやすく評価しやすいように申請書を書くという本質は、社会科学研究においても同様に当てはまるものだろう。
もう一つ大いに参考になったのが、ウェブサイト「科研費申請書類の書き方のコツ」。上記のガイドブックの中でも紹介されているサイトだが、科研費を中心に研究費獲得業務に携わってきた大学職員の方が運営するサイト。審査員に読まれる申請書のポイントを事務視点で淡々と綴った内容は、自分の研究についつい熱くなって(時になり過ぎて)しまう研究者に対し、いい意味でクールダウンする指摘となっている。
Amazon Campaign
関連記事
-
科研費に採択されたら使いたい、研究と事務を効率化するクラウドサービスおすすめ2選
研究者にとって4月は特別な季節。それはもちろん日本のほとんどの大学で新しい学年が始まるから、だけでは
-
日本経済学会@同志社大学に行ってきた
先週末は日本経済学会の春季大会で報告してきた。会場は京都の同志社大学ということで、初めてここを訪れた
-
今年度から科研費の締切が早まる|公募スケジュールの前倒しに注意
現在、科学研究費助成事業(科研費)の主な種目については、前年の9月に公募を開始し、翌年4月1日付けで
-
できる研究者の英語プレゼン術|スライド作成からストーリー展開まで
以前に紹介した、ポール・シルヴィア著の『できる研究者の論文生産術』は素晴らしい一冊である。著者は20
-
科研費採択された研究者におすすめの2つのサービス|クラウドを利用して研究・事務作業を効率化する
科研費で利用したい研究効率化のための2つのサービス さて先日は、今年度の科学研究費助成事業(科研費
-
海外で研究者になる|知られざる就職活動その舞台裏
日本人が数多く海外留学していることに比べると、海外で就職する例はまだまだ少ないと言えるだろう。とくに
-
科研費およびその他の研究費管理には、クラウド会計がびっくりするほど超便利
さて先日は、今年度下半期の科研費採択プロジェクトが通達された。経済学をはじめとする社会科学系の分野で
-
10代の母:アメリカと日本のテレビの影響
National Bureau of Economic Research (NBER) の最新のワー
-
誰も教えてくれない、科研費に採択されるコツを公開|研究費獲得に向けた戦略的視点
また今年も科学研究費助成事業(科研費)の締切が近づいてきた。今月から来月にかけては、日本にいる数多く
-
『科研費獲得の方法とコツ』は、科研費申請予定の研究者必携の一冊
研究者にとっての秋は、科学研究費助成事業(科研費)の締切が迫る時期でもある。今年は11月10日が最終