*

世界を変えた密約と帳簿・会計の世界史

公開日: : Kindle, オススメ書籍

Amazon Kindle の「文春の翻訳本・政治経済編」キャンペーンでは、おすすめ書籍が期間限定で40%ポイント還元となっている。このキャンペーンでおすすめしたいのは、ズバリ以下の2冊だ。一つ目は、ペレッティ『世界を変えた14の密約』だ。本書は、健康保険など、われわれの日常生活に深く関わるビジネスを取り上げ、その背景にある実にクレバーな一握の人たちの抜け目ない洞察を活写したものである。「その時歴史が動いた」のグローバルビジネス版、とでも言える内容であり、大変に刺激に富む。

 

「現金の消滅」、「フェイクニュース」、「ブラック労働」、「AIに酷使される未来」……。私たちの日常生活を根底から変えたのが政治家や国際的な事件ではなく役員室やゴルフコースやバーで秘密裏に交わされた企業による密約(取引)だったら?“イギリスの池上彰”+BBCが、世界の深層に恐ろしくもスリリングに切り込んだ一冊です。

 

世界を変えた14の密約 (文春e-book)

 

 

もう一つのおすすめは、ソール著『帳簿の世界史』である。これまで何度もおすすめしたきた本書も、今回のセールで40%ポイント還元とお買い得となっているので、注目です。

「権力とは財布を握っていることである」アダム・スミス、カール・マルクス、マックス・ウェーバー……。彼らが口を揃えて主張していた「帳簿」の力とは、一体何なのか。

これまでの歴史家たちが見逃してきた「帳簿の世界史」を、会計と歴史のプロフェッショナルが初めて紐解く。

・なぜスペイン帝国は栄え、没落したのか。
・なぜフランス革命は起きたのか。
・なぜアメリカ独立は成功したのか。
・なぜ日本は急速に列強へ追いつくことができたのか。

その歴史の裏には全て、帳簿を駆使する会計士たちがいた!

 

帳簿の世界史 (文春文庫)

 

 

ちなみに、上記の帳簿の世界史と合わせて読むことをおすすめしたいのが、田中著『会計の世界史』である。似たような書名だが、そのフォーカスとアプローチは大いに異なる。以下のまえがきに明快に記されているように、これまでにない、実にユニークかつ楽しませる会計史なのである。ぜひこちらもどうぞ。

数字のウラに隠された、驚くべき人間ドラマ。
誰にも書けなかった
「会計エンタテインメント」爆誕!

【本書の特徴】
その1 ダ・ヴィンチ、レンブラント、スティーブンソン、フォード、
ケネディ、エジソン、マッキンゼー、プレスリー、ビートルズ
……意外な「有名人」たちが続々登場!

その2 冒険、成功、対立、陰謀、裏切り、愛情、喜びと悲しみ、
栄光と挫折、芸術、発明、起業と買収
……波乱万丈、たくさんの「知られざる物語」が展開します

その3 簿記、決算書、財務会計、管理会計、ファイナンス、IFRS
……物語を楽しく読み進めるだけで、これらの仕組みが驚くほどよくわかります

その4 イラストと写真、ひと目でわかるイメージ図が満載。
会計の本なのに、細かい数字はいっさい出てきません!

「私はこれまで数々のビジネススクールや企業研修で
会計分野の講師を務めてきました。
会計を『大局的に・楽しく』学んでもらうのはとても難しい作業ですが、
講義で『歴史』をもちいる手法はかなり効果的でした。

会計ルールの誕生エピソードや人物秘話を少々大げさな講談調で語ると、
受講者たちが身を乗り出してきます。
本書はそんな経験をもとにしています。

皆さんにも『好奇心とともに会計を理解する』経験をしてもらえれば
嬉しいです。」
──「旅のはじめに」より

 

会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ――500年の物語

 

Amazon Campaign

follow us in feedly

関連記事

浦沢直樹の漫勉neoと、すぎむらしんいち『最後の遊覧船』

NHKの人気番組『浦沢直樹の漫勉』シリーズは、昨年neoが放送され、現在はそれらが再放送されていると

記事を読む

愉しく美味しく走ろう!南魚沼グルメマラソンを応援してきた

本日のKindleセール商品は、『ウルトラマラソンマン 46時間ノンストップで320kmを走り抜いた

記事を読む

三浦しをんのマニアックな職業視点がいちいち面白い:今度の舞台は社史編纂室

次々と面白い小説を発表し続ける三浦しをん。そんな彼女のモチベーションは、世の中にこんな仕事があったな

記事を読む

Kindle電子書籍で手軽に読めるこの漫画がすごい:思わずハマったコミック12選

「電子コミックの時代がやってきた」でも紹介したように、日本ではとくに電子コミックが現在の市場を牽引し

記事を読む

「お茶」が教えてくれる日々のしあわせ

10/13(土) から上映が始まった『日日是好日』。樹木希林の遺作となったこの映画、もちろん僕も見に

記事を読む

イェール大学出版局 リトル・ヒストリー|若い読者のための「考古学史」のすすめ

以前にも紹介したことのある、「イェール大学出版局 リトル・ヒストリー」のシリーズ。いまのところ5冊が

記事を読む

クリエイター佐藤雅彦が好きだ|最新著『ベンチの足』にみるユニークな視点

佐藤雅彦ほど「クリエイター」という表現が似合う人はいないのでは、と個人的に思っている。アーティストで

記事を読む

町山智浩『知ってても偉くないUSA語録』は秀逸な現代アメリカ社会批評

映画評論家の町山智浩をご存知だろうか?そして、彼の秀逸な現代アメリカ観察記をご存知だろうか?そんな週

記事を読む

スノーピーク初のグランピング施設が三浦半島にオープン

いよいよ夏が近づき、今年はまたキャンプにでも行こうかという話があちこちで聞こえそうなこの時期を狙って

記事を読む

日本でいちばん売れている国語辞典『新明解』に待望の最新第8版が登場

日本でもっとも売れている国語辞典といえばなんでしょう? それはもう圧倒的に三省堂の『新明解国語辞典』

記事を読む

Amazon Campaign

Amazon Campaign

卒業・入学おめでとうキャンペーン|80年記念の新明解国語辞典で大人の仲間入り

今年もまた合格・卒業、そして進級・進学の季節がやってきた。そう、春は

食の街・新潟県南魚沼|日本一のコシヒカリで作る本気丼いよいよ最終週

さて、昨年10月から始まった2022年「南魚沼、本気丼」キャンペーン

震災で全村避難した山古志村|古志の火まつりファイナルを迎える

新潟県の山古志村という名前を聞いたことのある人の多くは、2004年1

将棋タイトル棋王戦第3局|新潟で歴史に残る名局をライブ観戦してきた

最年少記録を次々と塗り替える規格外のプロ棋士・藤井聡太の活躍ぶりは、

地元密着の優等生|アルビレックス新潟が生まれたサッカーの街とファンの熱狂

J2からJ1に昇格・復帰したアルビレックス新潟が今季絶好調だ。まだ4

【速報】ついに決定|14年ぶりの日本人宇宙飛行士は男女2名

先日のエントリ「選ばれるのは誰だ?夢とロマンの宇宙飛行士誕生の物語」

3年ぶりの開催|シン魚沼国際雪合戦大会で熱くなれ

先週末は、コロナで過去2年間見送られてきた、あの魚沼国際雪合戦大会が

国語の入試問題なぜ原作者は設問に答えられないのか?

僕はもうはるか昔から苦手だったのだ。国語の試験やら入試やらで聞かれる

PAGE TOP ↑