今年の卒業祝い・入学祝いにおすすめ|これまで以上に思い出に残る国語辞典をプレゼントしよう
公開日:
:
最終更新日:2021/01/09
オススメ
新型コロナウィルスの蔓延で、いまや全国の学校が休校となり、すでに簡易的な卒業式を終えたところもあれば、あとは卒業式のみを登校日としているところもある。いずれにしろ、これまで経験したことのない異例の卒業シーズンを迎えているのである。そして今度はすでに、4月の入学シーズンにも影響が出始めている。大学も含め、すでに入学式の取りやめを決めたところもあれば延期決定を下したところもある。4月予定の授業開始を遅らせる判断をした学校だってあるのだ。
そんな異常事態に遭遇し、外出とくに人混みを避け、基本的には自宅で過ごすことが求められている児童や生徒・学生にとっては、なかなかしんどい春となってしまった。しかし、卒業式や入学式といったセレモニーがなくとも、卒業そして入学は当然粛々と進んでいく。そんな例年にない今年だからこそ、卒業祝い・入学祝いには、これまで以上に気持ちを込めたプレゼントを贈って欲しいと思うのだ。そして、卒業・入学の定番のお祝いはもちろん、国語辞典で間違いない。
問題は、どの国語辞典を選ぶのか、であろう。その選択に迷ったら、まずはいま日本でどんな国語辞典が売れているのか、そのランキングを見てみると参考になるだろう。例えば、Amazon 国語辞典ベストセラーを見てみると、子供用から大人用まで、さまざまな国語辞典がずらりと並んでいるのが分かるだろう。もう一つ、楽天市場での国語辞典ベストセラーも見てみよう。こちらもズラリと、ご存知の辞書から、初めて見た辞典まで、様々な種類があるのがお分かりだろう。
こうしたランキングに頻繁に登場する国語辞典が、よく売れている辞書ということになるのだが、購入に際しては、ぜひ国語辞典それぞれの違いを味わい、よくよく吟味して選んで欲しいのだ。なにしろ国語辞典とは、個性がまったくことなるものなのだから。言葉の定義だって、国語辞典によって異なるんですからね。さて、そんな国語辞典の選び方については、これまでにも何回かにわたって解説してきたので、ぜひとも以下のようなエントリを参考にしていただきたい。ポイントは、それぞれの辞書を編纂するにあたっての哲学や方針を確認すること、と言えるだろう。
- 国語辞典を選ぶならこの3冊がおすすめ:現代語に強い三省堂・豊かな語釈の新明解・安定と安心の岩波
- 新中学生・高校生から新社会人にまでおすすめする国語辞典4選|辞書それぞれの個性を理解して選ぼう
- 学校で教えて欲しいおすすめ国語辞典の選び方・使い方・遊び方:複数の辞書を比較して使い分けよう
そして、さっさとおススメを紹介してよ、という方には、次の4冊の国語辞典であればどれも間違いない選択だとお伝えしておこう。一言で説明するならば、
- 現代語の収録に優れ、新しい用語を知るのに最適な『三省堂国語辞典』
- 言葉の意味を深く考えさせる、人気ナンバーワンの『新明解国語辞典』
- 堅実でオーソドックスな、安定感と安心感が売りの『岩波国語辞典』
- 自分の日本語の誤用や疑問に気づき、正すために必要な『明鏡国語辞典』
と言える。
僕はもちろん全部もってるし、気になる言葉は、これら4冊およびその他の国語辞典まで総動員して、その定義や意味を比較することにしている。だからこそ、本当は複数の国語辞典を手元に置いておきたいところなのだが、そういうわけにもいかない場合には、ぜひまずは上記4つのうちから一つ選んでみて欲しい。
どうしても、ここから1つをおすすめして! と言われたら、うーむ、とっても迷いながらも、それでもここは一つ、岩波国語辞典をいちおしとしたい。その理由はなんといっても、8年ぶりの改訂を終え、2019年に出版されたばかりという、いま一番新しい辞書だからだ。刊行にあたって、以下のような「日本語を辞書で引くこと」というメッセージが寄せられたように、岩波書店が総力を結集してつくりあげた日本語国語辞典の結晶である。だからこそ、今選ぶなら、この一冊でしょう。どうぞステキな卒業・入学の贈り物となりますように。
『岩波国語辞典』の初版は1963年の刊行です。以来改訂を重ね、累計の部数は900万部になろうとしています。長年にわたって多くの皆さまから寄せられた信頼に応えるべく、今回の改訂でも、言葉の意味の根幹をおさえながら、たえず揺れ動く言葉の意味と用法をとらえ、よりわかりやすく解説することをこころがけました。
言葉は日々のコミュニケーションで使うだけではありません。少し前の小説を読めば、その小説が書かれた時代の言葉と向き合うことになります。この辞典は「百年の日本語」を対象としています。それは「読む・書く・話す」多様な言葉と出会う場面でお役に立ちたいからです。
スマートフォンで新しい、よく知らない言葉の意味を検索するところから少し振り返って、「紙」の辞書で使い慣れた日本語、知っているはずの言葉も引いてみませんか? そこには豊かな日本語の海が広がっています。
『岩波国語辞典』の最新版、第八版を皆さまにお届けできることをたいへんうれしく思います。
Amazon Campaign
関連記事
-
Amazon Audible (オーディブル) で「聴く」読書|おすすめオーディオブックの始め方
僕がオーディオブックというものを初めて知ったのはアメリカにいたときだった。プロのナレーターが本を朗読
-
[NHK今夜再放送]伝説のチェスプレーヤー・ボビーフィッシャーの闘い
先日は、最強の将棋棋士・羽生善治が、チェスの元世界王者ガルリ・カスパロフとハンデ無しの勝負をして大き
-
ついに完結エヴァンゲリオン|ありがとうを君に
3/22月曜日、NHKで放送された「プロフェッショナル仕事の流儀」ご覧になっただろうか? 番組史上も
-
電子書籍市場の急拡大:2018年には米国と英国で紙書籍を追い抜くか
今年は、電子書籍がより一層勢いを増して拡大した一年だったと振り返ることが出来るだろう。2013年の始
-
錦織圭の全豪オープンテニスをデータ観戦しながら応援しよう|IBMのSLAMTRACKERが面白い
現代において、スポーツ選手がデータ活用するのはもはや当たり前と言えよう。そしてそれはもちろん監督やコ
-
今年からは確定申告にクラウド会計を導入しよう|面倒な手続きも超簡単に
さて、今年もまた確定申告の時期がやってきましたね。大学教員も含めたわれわれサラリーマンには無縁の手続
-
さらに高いレベルの国語辞典を|中型辞書「三省堂大辞林」のすすめ
国語辞典のおすすすめについては、以前にも以下のエントリで詳しく解説してきたので、ぜひ参考にして頂きた
-
ゾクゾクするほどコワい人間のココロ|「怖い絵展」にもう行きましたか?
アートファン待望の「怖い絵展」が、いよいよ上野の森美術館で始まった。既にご覧になった方もいるだろうが
-
ニューヨーク・タイムズが選ぶ、2021年版「愛すべき世界の52か所」
ニューヨーク・タイムズ紙による、年始の恒例特集 "52 Places to Go" だが、コロナ禍に
-
ニューヨーク・タイムズが選ぶ、今年絶対に行きたい世界52ヶ所:2016年版
さて今年もこのシーズンがやってきましたね。ニューヨーク・タイムズ紙が発表する「今年絶対に行きたい世界