進化心理学と行動ゲーム理論入門|『最後通牒ゲームの謎』がおもしろい
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第64回(2021年度)日経・経済図書文化賞を受賞した、小林佳世子著『最後通牒ゲームの謎』が面白い(選評および受賞者コメント)。社会科学の実験としてこれほど世界中で実施されているものはない、それがこの有名な「最後通牒ゲーム」だ。しかしながら、実験結果は経済学で考える合理的な帰結とは程遠く、そこから多くの「なぜ?」という謎が生じる。
著者は経済学を学ぶなかで、従来の合理性では割り切れない人間の意思決定に大いに関心を寄せつつも、一方では理論的説明に欠ける行動経済学という新たな分野に対する健全な違和感も忘れない。そのバランス感覚が本書の魅力のひとつでもあり、高校生にも分かるように配慮された啓蒙書でありながら、文系・理系を越えて注目を集めるこの最先端の研究分野を解説した格好の入門書ともなっているのだ。しかも、今だけ期間限定で、Kindle電子書籍のキャンペーンによって半額というお買い得感も見逃せない。この機会にぜひもっと多くの人に読まれることを願っている。
たまたまもらった1000円、見知らぬ相手とどう分ける
【内容紹介】最後通牒ゲームを題材として、進化心理学の考え方を使い、「経済人」ではない人間行動の原理に迫る。
【目次】
第1章 謎解きの道具第2章 ホモ・エコノミクスを探して
2-1 見知らぬ人と分かちあう
2-2 実験:やってみなくちゃわからない!第3章 「目」と「評判」を恐れる心――なぜ独り占めしようとしないのか?
3-1 独裁者ゲーム:ノーとはいわせない!
3-2 観察者の目:見てるぞ~~~
3-3 絆と孤独はアメとムチ
コラム:孤独について
3-4 独裁者ゲーム:バリエーション
コラム:奇妙な(WEIRD)……?人々第4章 不公平への怒り――なぜ損をしてまでノー! というのか?
4-1 アンフェアは許せない! !
4-2 損をしてでも罰したい! !
4-3 罰の甘き喜び
コラム:男の子はヒーローがお好き!?
4-4 第三者罰7
4-5 見えざる手がもつ諸刃の剣第5章 脳に刻まれた「力」――裏切り者は、見つけられ、覚えられ、広められる
5-1 裏切り者を見つける力
5-2 裏切り者を覚え伝える力
5-3 エラー管理理論
コラム:エラー管理理論の応用1:行為者への敏感さ
コラム:エラー管理理論の応用2:初対面の人への「無難な」ふるまい
5-4 ゲームからわかってきたこと第6章 進化の光
6-1 適応合理性
コラム:進化の中の肥満
6-2 協力行動の進化
コラム:自粛警察あとがき
もっと勉強したい方へ
ゲームの詳細補足――公共財ゲーム・順序付き囚人のジレンマゲーム・信頼ゲーム
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