埼玉県にヘルプに行っていた十日町の除雪隊と、記録づくめの地元雪まつり
2月の関東近辺で記録された大雪。ふだん雪が積もることが少ない地域だけに、埼玉県の秩父市や小鹿野町等、地元だけでは対応できず自衛隊が駆けつけたのは報道の通りだ。そんな中、ここ南魚沼市のお隣・十日町からも同地域に除雪隊が派遣されていたのである。なにしろここは日本有数の、というか世界でも指折りの豪雪地帯。重機というハードはもちろん、雪かきの各種ノウハウやテクニックが存分に蓄積されている。それが今回思いがけない形で、他県でも役に立ったようだ。
(NHKニュース)除雪応援隊は、災害支援協定などにより新潟県から埼玉県に派遣された大型の除雪車6台と建設会社の作業員13人です。今月19日から順次、大雪の影響で道路が寸断され集落が孤立した秩父市や小鹿野町に派遣され合わせて70キロの道路を除雪し、27日すべての集落の孤立が解消され活動を終えました。
それでは、こうした除雪車を県外派遣しているあいだ、十日町の地元では果たしてどのように雪に対応していたのか。まず第一に、以前紹介したように「消雪パイプシステム」というのは実に優れた仕組みだと思う。これがあれば一定度の雪までは除雪車がなくても十分に対応可能だ。長岡市に始まったこのシステムはその後南魚沼や十日町にも広がり、冬の雪国の道路を片付け続けている。除雪や圧雪ではなく消雪、というのがポイントだ。
第二に、雪国の人たちは雪かきがめちゃくちゃ上手い。まあ当人たちにとっては当たり前なのだろうが、僕のような素人目から見ると、彼らのその雪かきっぷりというのは、長年の経験からくる匠の技のようなものを感じる。それは重機の扱い方のみならず、個々人のスコップの使い方まで含めてね。
第三に、新潟のこの豪雪地帯で今年降った雪の量は、例年に比べて圧倒的に少ないということらしい。ここで初めての冬を迎える僕にしてみれば、そりゃあもう結構な高さまで積もっていると思えるのだが、普段はこんなものではないらしい。なるほど、例年の降り具合と積もり方というのはハンパないんだな。
そういう諸々の事情があって、今年の十日町で2月中旬に開催された第65回という歴史を持つ「雪まつり」は、いくつもの記録づくめだったようだ。まずこの冬の雪の少なさから雪像を造るのに大変苦労したと運営側から聞いた。さらに、気温が例年よりも暖かかったものだから、造り上げた雪像を雨や溶けから守るのもこれまた一苦労だったようだ。
さらには、メインイベント開催のまさにそのタイミングで関東が大雪に見まわれ、上越新幹線および関越自動車道も完全ストップとなり、なんと東京からメインゲストが到着できないという事態が勃発。さらには旅行客のキャンセルも相次ぎ、通常の半分程度の集客しかならなかったとのこと。大変残念だが、これはもう関東周辺一体を襲った異常事態だったのだから仕方なし。ぜひ来年はもっといつもの豪雪と寒冷と集客の中での祭りの様子を見てみたいと思う。
Amazon Campaign
関連記事
-
5月25日は「広辞苑の日」って知ってましたか?
「ことばは、自由だ。」というキャッチフレーズでも知られる、岩波書店の「広辞苑」は、国語辞典の代表格と
-
スノボ平野選手の出身地・新潟県村上市に行ってみたら鮭と酒の町だった
スノーボード男子ハーフパイプ、見事な技で銀メダルを獲得した平野歩夢選手。スノボでは日本人初のメダルに
-
もちろんご存知ですよね?ついに開幕、第四回OKB48選抜総選挙。センター推しは、三菱鉛筆ユニボール・シグノだ!
いよいよ第四回目となった「OKB48選抜総選挙」、熱い闘いが今年も始まった。もちろんOKBとは「お気
-
シンガポール初のリベラルアーツ・カレッジYale-NUSが閉校
シンガポール国立大学と米国イェール大学の提携で始まり、2013年に最初の新入生を迎えたYale-NU
-
囲碁タイトル7冠同時制覇|井山裕太と師匠・石井邦生が創りだした盤上の宇宙・独創の一手
すごいな、井山裕太。大きなニュースとなったことで、囲碁ファン以外にも伝わったであろう、7冠同時制覇へ
-
ゲイツ財団と世界の貧困に関する3つの誤解
今年もビル&メリンダ・ゲイツ財団の年次書簡が発表される時期がやってきた。「ビル・ゲイツからの手紙と
-
電子書籍市場の急拡大:2018年には米国と英国で紙書籍を追い抜くか
今年は、電子書籍がより一層勢いを増して拡大した一年だったと振り返ることが出来るだろう。2013年の始
-
2014年の囲碁賞金王・井山裕太|盤上の宇宙と独創の一手
囲碁の2014年獲得賞金ランキングが確定したというニュース(朝日新聞)。 2014年の囲碁棋士の賞
-
愉しく美味しく走ろう!南魚沼グルメマラソンを応援してきた
本日のKindleセール商品は、『ウルトラマラソンマン 46時間ノンストップで320kmを走り抜いた
-
法律改正、脳死判定、臓器移植、そしてコーディネーター
先日、「6歳未満女児の脳死判定、臓器提供へ:国内2例目」というニュースがあった。そして「心臓と肺を男
Amazon Campaign
- PREV
- フィナンシャル・タイムズと昼食を
- NEXT
- 新潟の冬、日本酒の冬、「酒の陣」へいざ出陣