錦織圭の死闘|全豪オープンテニスが面白い
今年の全豪オープンテニスがめちゃくちゃ盛り上がってますね。観ましたか、錦織の4回戦、5時間を超える壮絶な死闘を。2セットダウンから追い上げ、最終セットも終盤までリードを保っていたものの、最後で追いつかれてタイブレークに突入。そこでも二転三転するドラマが待ち受けており、意地と迫力で圧倒的なプレイを続ける両者はもちろんのこと、生中継で応援しているこちらまで疲弊する、そんな痺れる試合だったのだ。

そんな試合を数字で振り返ってみよう。合計ポイントも、錦織の217に対しブスタも209と大接戦であるのが分かる。そんななか、錦織はエースそしてウィナーの数で相手を上回り、そしてアンフォーストエラーも少なく、ミスを抑えながらここぞという場面で決めてきた姿が見えてくるだろう。

またサーブとリターンについてより詳しく見てみると、リターンの強さが際立っており、相手が嫌がる粘り強さがここでも十二分に発揮されていたと言えるだろう。またラリーの項目でも、それほど大きな差ではないとはいえ、相手よりもボレーで得たポイントが多く、積極的にネットに出るなど、多彩な攻め方を見せていたことも分かる。

生中継で5時間超も見てしまったが、しかしそれだけ価値ある一戦であり、実に見ごたえのある内容だった。そして次はいよいよベスト8の激突。錦織の相手は因縁のジョコビッチである。これまで全く歯が立たず苦手としているジョコビッチだが、この最強の壁を乗り越えなくてはグランドスラム優勝など夢に見ることさえできない。今年の錦織は違う、29歳となったいま、もはや若手ではない。それはつまり、彼にとって全盛期と言える時間はもうそれほど長くは残されていないということなのだ。
そう考えると、もしかすると今年が最後のチャンスになるかも知れない。そんな思いを強くしながら、錦織のテニスを、最高のプレイを、応援し続けたいと思う。
Amazon Campaign
関連記事
-
-
Amazon買取サービスが面白い|古本業者にとっての新たな脅威
この秋の大きな話題の一つとして、動画配信サービスを各社が一斉に開始したことが挙げられるだろう。各種報
-
-
マッサン・ブームに乗っかって、ウィスキー「余市」を飲んでみた:今まで飲まず嫌いでごめんなさい
ニッカウヰスキーの創業者・竹鶴政孝と、その妻リタをモデルとしたNHKの朝ドラ「マッサン」が面白い。い
-
-
電子書籍市場の急拡大:2018年には米国と英国で紙書籍を追い抜くか
今年は、電子書籍がより一層勢いを増して拡大した一年だったと振り返ることが出来るだろう。2013年の始
-
-
欧州サッカー・チャンピオンズリーグはここからが面白い|WOWOWの超おすすめ目玉コンテンツ
コロナ禍にあっても少しずつこれまで同様のスポーツ大会が開催されるようになってきた。先月のテニス全豪オ
-
-
欧州サッカー・マネーリーグ最新版|バルサが初の首位・レアルは2位に後退
今年も発表された、「デロイトフットボールマネーリーグ」。これは毎年、世界的な監査法人デロイトが発表す
-
-
ゲーマーとお金|さらなる有望産業 eスポーツビジネス
ご存知のとおり今回の東京五輪からは、スケートボードや、サーフィン、そしてスポーツクライミングといった
-
-
データとマネジメントとストラテジー|ドイツ・サッカー復活の道のり
昨年のサッカー・ワールドカップ。開催国ブラジルを7-1という大差で沈め、決勝でも強豪アルゼンチンを倒
-
-
[TEDトーク]教科書になるプレゼン|吃音のミュージシャンが語る私の言葉
NHK Eテレで放送されている「スーパープレゼンテーション」をご覧になっている人も多いことだろう。そ
-
-
スポーツ業界にデータ革命の波|NHK新番組「スポーツデータ・コロシアム」が面白い
NHK-BS 新番組「スポーツ・データコロシアム」 先日NHK-BS1 で放送が始まった新番組「ス
-
-
アメリカは卒業式シーズン|今年の著名人スピーチ一覧
5月から6月にかけてはアメリカの大学の卒業式シーズンだ。初夏のさわやかな日差しのもと、学校を卒業して
