ラグビー新リーグ開幕|注目は経営のプロが率いる「静岡ブルーレヴズ」
日本ラグビーのリーグ戦が新たに「リーグワン」として生まれ変わり、2022年1月8日に開幕戦を迎えた(NHKニュース)。サッカーや野球にくらべて、まだまだファンの数は少ないかも知れない。しかし、近年のラグビー日本代表のワールドカップ等での活躍はご存知のとおりであり、着実に力をつけてきた日本だからこそ、今後さらに世界レベルへの飛躍を目指し、この新たなリーグが加速していくことを願っている。
さて、オールジャパンなら分かるけど、個別のチームについてはよく分からないという人も多いだろう。確かにそれはサッカーにおいても、日本代表戦は盛り上がるけど、クラブ戦はいまひとつ、というのと同じだ。だけれども、今年のラグビーで特に注目して欲しいのは、この静岡ブルーレヴズなのである。「ラグビー新時代をつくるのは、静岡だ。」の以下のキャッチフレーズにある通り、この静岡発のクラブチームが日本のラグビー業界を大きく変えていくのではと思うと、わくわく感が止まらない。
簡単にこのチームを紹介しておくと、何とこのクラブには、あのスーパースター五郎丸歩がいるのである!というと、なーんだと言われそうなので、ここであえて申し上げたい。何とこのクラブには、あの五郎丸だけでなく、あのウルトラスター山谷拓志がいるのだ! と言われて、スゲェ~って反応してくれる人もそう多くはないかも知れない。だからこそ、知っておいて欲しいのだ、この静岡ブルーレヴズと、そのクラブを率いる経営者・山谷拓志社長のことを。
山谷のこれまでの人生は波乱万丈だ。ラグビーをやりたい思いで高校に進学するも、自分などでは活躍の場がなさそうだと諦め、行き先変更でアメフトを始める。ただし、スポーツ選手としてよりも、リクルート入社後の活躍の方で実績を残し、今度はなんとバスケットボールクラブの経営に携わることになる。リンク栃木ブレックス(現・宇都宮)では、当時のスーパースター田臥勇太を獲得し、創部3年で日本一を達成するなど、周囲が驚くほどのスピードで結果を出した。その実績が評価され、今度は経営危機から立ち直った茨城ロボッツの社長を務めた。
そんなバスケ業界と縁が深かった山谷が、プロ化は絶対に無理と言い続けてきたラグビーの世界に飛び込んだのだから面白い。しかしながら、営業にスポンサー獲得、ファンクラブの組織化等々、彼がこれまでバスケクラブで経営してきたことはもちろんすべてラグビークラブでも通用するものだ。加えて、このプロチームにはいま、五郎丸歩が選手ではなく社員として所属している。山谷の高校時代の夢、憧れつつも届かなかったこの世界に、いまは経営者として戻ってくるのだから、興味深い。ぜひ、ラグビーの歴史の新たな一歩、そして静岡ブルーレヴズを舞台に、山谷と五郎丸が新たな変革を起こし続けていくことを今から期待している。
参考記事
Amazon Campaign

関連記事
-
-
ワールドカップで大番狂わせを狙え|サッカー監督の世界級チームマネジメントの極意
2022年という年は、やはりサッカー・ワールドカップでの日本代表の活躍が強烈な印象として残っている人
-
-
強く美しく華やかに|藤井聡太・新王位が生まれた盤上の宇宙
将棋タイトル王位戦、藤井聡太棋聖が木村一基王位に開幕から3連勝で迎えた第4局、しびれたねぇ。テレビや
-
-
クラウドソーシングの衝撃:世界最大手Freelancer.comの上場と業界再編
「クラウドソーシング・サービスの使い方: 世界最大の Freelancer.com が早くて安くて素
-
-
中学生プロ棋士・藤井聡太四段の新たな歴史的偉業
快進撃を続けていた若干14歳のプロ棋士・藤井聡太四段が、ついに、なんと、歴代連勝記録の単独トップとい
-
-
新潟県内最大級のイベント「新潟淡麗にいがた酒の陣」本日開幕
北陸新幹線の開業に沸く本日3月14日。新潟で今年もいよいよ始まりましたよ、酒の陣!これは10万人以上
-
-
Wall Street Journal 125周年と、アメリカ現代史
ちょうど昨年、「フィナンシャル・タイムズ(FT)とウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」で書い
-
-
非常勤講師も必要な確定申告スタート|今年からマイナンバーが義務化
2月16日から始まった今年の確定申告。一般的には、高収入のサラリーマンや、個人事業主だけに関係のある
-
-
キューバに行くなら今が最後のチャンス:アメリカ人観光客が殺到する前に
今年の「ニューヨーク・タイムズが選ぶ、今年絶対に行きたい世界52ヶ所」でも書いたように、今キューバが
-
-
箱根駅伝「幻の区間賞」と関東学連チーム出場の是非
来年もまた正月から箱根駅伝にくぎ付けとなってしまう、そんな人も多くいることだろう。二日間に渡るこれだ
-
-
サッカーチームの経済学|デロイト・フットボール・マネーリーグ2017年版
毎年デロイト社が発表するレポートの最新版 "Deloitte Football Money Leag