人生で大切なことはブラック・ジャックに学んだ
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最終更新日:2014/10/22
オススメ漫画
手塚治虫の名作『ブラック・ジャック』。モグリの医者をダークヒーローとし、命とは、生きるとは、そして金とは何かを問う本作品のファンは多いだろうが、僕もその中の一人である。「ときには真珠のように」でも書いたように、日常生活のふとした瞬間に、「あぁこの話、ブラック・ジャックにあったなあ」と思ってしまうのである。そういう人、多いよね?
そんな我らがブラック・ジャックが、本日のKindle日替わりセールに登場。僕自身はもうすでに何度もコンプリートしているのだが、つい、また最初から最後まで一気に通読したくなる作品だ。
そんなブラック・ジャックを始めとする手塚治虫の作品集が、Kindleコミックで多数配信されているというのは、まだあまり知られていないように思う。Amazon にはぜひもっと、これらの手塚作品シリーズのプロモーションに力を入れて欲しいものだ。これからも読み継がれるべき名作揃いなのだから。
この160シリーズというのは実に圧巻で、そのリスト一覧を見ればすぐに分かるように、誰もが知っている鉄腕アトムやブッダ、そして火の鳥といった、手塚作品を代表する漫画のみならず、それ以外の多種多様な短編や中編も含まれており、あらためて手塚の才能と多作ぶりを思い知るわけなのだ。
「Amazonキンドルが広げたコミック市場:ふだん漫画を読まない僕が鈴木みそにハマった」でも書いたが、この電子書籍によって僕の本の読み方そして買い方は大きく変化した。その一例が、いままで読む機会が少なかった漫画にハマってしまったということなのだが、それは今回のKindle手塚治虫特集においても同様だった。
ブラック・ジャックを始めとする、手塚治虫のいわゆる有名作品はずいぶんと読んできたはずなのに、それに比べて知名度が下がる作品にはとんと疎かったのである。しかし、そんな漫画の数々を、このKindleコミックで手に取ることになったのだ。おすすめしたい作品はいくつもあるのだが、中編ならば『MW(ムウ)』と『奇子』を(どちらも第一巻だけ99円でセール中)、短編ならば『サスピション』と『時計仕掛けのりんご』が、最近読んだ中でのイチオシである。
他の代表作品とは全く違うテイストの漫画となっており、手塚治虫の異なる一面を知ることができる。ストーリーも創造性に富み、一気にその世界に引き込まれてしまった。手塚作品(とくに有名長編)をある程度読んできた人にこそ、その魅力にみせられる中編および短編の作品群なのではないかと思う。
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