フットボールの経営学:欧州サッカー・マネーリーグ2014
以前「フットボール・マネーリーグ2013」で紹介した、“Deloitte Football Money League” のレポート最新2014年版が先日発表された。ヨーロッパサッカー各チームの収入をランキングし、かつその内訳を示したレポートである。
今年のレポートのハイライトとしては、次のような点が指摘されている。
- This year’s findings show total combined revenue for top 20 Money League clubs up 8% to €5.4bn.
- Real Madrid retain the top spot for a ninth consecutive year with a revenue of €518.9m.
- Bayern Munich leapfrog Manchester United to secure third place.
- Paris Saint-Germain up to fifth place with revenue of almost €400m.
- New to the top 20 include Galatasaray and Fenerbahçe and all clubs in the top 30 now generate over €100m.
本田圭佑が移籍し、日本からの注目が高まるACミランは、一昨年の7位、昨年の8位からさらにランクダウンして、残念ながら今年は10位。チームの成績と収入のどちらも低迷傾向にある様子がこんなところにも伺える。
photo credit: marcp_dmoz via photopin cc
また、「サッカーチームの経済学」でも書いたように、今年もこれまでと同様に、一位のレアル・マドリードと二位のバルセロナは他の強豪チームから頭ひとつ抜きん出ている。さらには、レアルの一位は9年連続だ。しかしそれにしても、なぜレアルとバルサだけなのか?
http://www.slideshare.net/deloitteuk/deloitte-football-money-league-2014
上のスライドでチーム毎の懐事情を見てみると、今年から新たに指標に加わった “Social media activity” として、ツイート数およびフェイスブックのいいね数が、レアルとバルサの2チームが、3位以下を圧倒的に引き離したぶっちぎりの数だというのがとても興味深い。毎年発表されるレポートなので、欧州サッカーファンそしてデータ好きにとっては、ぜひとも今後もウォッチし続けておきたい内容と言えるだろう。
Amazon Campaign
関連記事
-
-
東京オリンピック野球で導入された変則的決勝トーナメント
東京オリンピックの野球種目は、準々決勝でアメリカを倒し、準決勝で韓国を破った日本が、堂々の決勝進出を
-
-
サッカー・データ革命の時代に読んでおくべきこの5冊
データ革命が加速する世界最先端の現代サッカー 「ワールドカップの閉幕、そしてデータドリブン・サッカ
-
-
プロテニスプレイヤーの憂鬱|男女格差と上下格差の歴史と現状
ウィンブルドンテニスで今年も熱戦を繰り広げられるなか、Financial Times の記事 "Do
-
-
米国一番人気アメリカン・フットボールの経営学:戦力均衡のリーグ運営
アメリカで最も人気のあるスポーツと言えば、アメフト(NFL)がナンバーワンなのである。野球(MLB)
-
-
ラグビー日本代表が強くなった理由|エディー・ジョーンズのコーチング
冬のスポーツ風物詩と言えば、箱根駅伝に加えて高校サッカー、そして大学ラグビーである。そんなラグビーの
-
-
欧州サッカー・マネーリーグ最新版|バルサが初の首位・レアルは2位に後退
今年も発表された、「デロイトフットボールマネーリーグ」。これは毎年、世界的な監査法人デロイトが発表す
-
-
錦織圭と大坂なおみの全米オープンテニス2019
さて、いよいよ始まった今年の全米オープンテニス。錦織圭は、相手選手の途中棄権があったものの、初戦を無
-
-
若き研究者フィギュアスケート町田樹のスポーツ文化論
2022年の冬季北京五輪の開幕も近づいてきた。ウィンタースポーツの代表例のひとつが、フィギュアスケー
-
-
日本将棋マネーリーグ|今年も賞金ランク首位は豊島将之竜王、藤井二冠は?
先日は毎年恒例の「欧州サッカー・マネーリーグ」が発表され、今年もスペインのFCバルセロナが収入ランキ
-
-
米国Amazon.com が公表する、アメリカとカナダの Most Well-Read Cities
毎年恒例となった、Amazon.com (および Amazon.ca)が発表する "Most Wel

