世界大学ランキング最新版発表|英国オックスフォード大学が初のトップに
公開日:
:
ニュース
“Oxford Tops List of World’s Best Universities” という Wall Street Journal の記事。過去5年間首位をキープしていた米国カリフォルニア工科大学を抜いて、英国の名門オックスフォード大学が初めてのトップに立った。それと同時に、米国以外の大学がトップとなったのは、このランキングが始まって以来、13年間で初めてのことだという。
The University of Oxford, the oldest in the English-speaking world, took the top spot in the latest World University Rankings, released annually by Times Higher Education. The English university dating to 1096 dethroned the California Institute of Technology, a small, private school in Pasadena that had ranked No. 1 for five consecutive years, according to Times Higher Education, a London magazine that tracks higher education.
This is the first time a university outside the U.S. is No. 1 in the list’s 13-year history. This year’s list also underscores strengthening university systems in Asia as schools in China and Hong Kong have risen up the ranks, some by double-digits.

オックスフォードとカリフォルニア工科大学に続くのは、スタンフォード、ケンブリッジ、そしてマサチューセッツ工科大学といったランキング上位のお馴染みの顔ぶれである。ただし、こちらの全ランキングでも確認できるように、また記事の中でも言及されている通り、アジアの大学の躍進が著しい。24位にシンガポール国立大学、29位に北京大学、35位に清華大学といった具合だ。ちなみに東京大学は39位となっている。
さて、当然気になるのは、どうやってこのランキングを算出しているのか、ということである。ちなみに以前「『ヤバい統計学』著者による新作『ナンバーセンス』で知る、アメリカ大学ランキングの舞台裏」でも紹介したように、こうした大学ランキングを上げようと担当者は血眼になっており、それってズルくない?っていうくらいキワドイことをやってまで、一つでもランクを上げようと必死なのである。そのあたりのカラクリについては、こちらの『ナンバーセンス』が大変おもしろく解説しているのでおすすめしたい。
その統計を信じるな!大学ランキング、肥満、クーポン、失業率、フットボール、物価……。身近なエピソードを題材に、複雑な統計をやさしく“解きほぐす”。どれが正しい分析で、どれが間違った分析なのか。ビッグデータ時代に必須の統計リテラシーは、誰にでも身につけられる。
アメリカで影響力のある U.S. News 大学ランキングだが、一方ではこのようにランク操作がしやすいという批判もある。それを踏まえてのことだろうが、この World University Rankings では、U.S. News が利用している合格率、試験平均点、卒業後初任給といった指標は使っていないという。むしろ各大学の研究面に着目し、論文数、引用数、研究資金といったデータから、ランキングを作成しているということだ。ただしもちろん、指標が変わればそれに合わせて各大学の行動が変わるというもの。このランキングでは果たして各大学がどんな取り組みで順位を上げようとしているのか、『ナンバーセンス』の著者カイザー・ファングには、ぜひとも続編でそんな舞台裏を明かして欲しいと思ったりするのである。
WUR tends to focus on research, counting metrics like the number of citations and publications by a university’s scholars and the amount of research funding attained in a given year. The list also takes reputation into account by surveying some 20,000 leading scholars to identify top schools, said Phil Baty, rankings editor at Times Higher Education.
“The single biggest individual indicator is research impact,” Mr. Baty said. “We’re looking at 56 million citations, 11.9 million research publications.”
To a lesser extent, WUR also emphasizes global scholarship. Unlike popular American rankings like those produced by U.S. News & World Report, the world list has a global reach and includes only universities. WUR excludes popular metrics used by U.S. ranking systems like acceptance rate, test scores and postgraduation salary, Mr. Baty said.
Amazon Campaign
関連記事
-
-
ゲーム理論とサッカーW杯そしてPK戦:なぜネイマールは右へ蹴ったのか?
ブラジルで開催中のサッカーW杯もいよいよベスト8。ますます眠れない夜が続く。さて、今回のワールドカッ
-
-
【速報ニュース】電子書籍読み放題 Kindle Unlimited ついにサービス開始|さっそく利用してみた
米国では数年前から始まっていた Kindle Unlimited がいよいよ日本でもサービス開始とな
-
-
ミャンマーの歴史と地政学|アジアの超大国・中国とインドをつなぐ十字路
ミャンマーがいま政治的に揺れている。日本との歴史的関係も長いこの国は、僕自身も何度か訪れたことがある
-
-
キューバに行くなら今が最後のチャンス:アメリカ人観光客が殺到する前に
今年の「ニューヨーク・タイムズが選ぶ、今年絶対に行きたい世界52ヶ所」でも書いたように、今キューバが
-
-
中学生プロ棋士・藤井聡太四段の新たな歴史的偉業
快進撃を続けていた若干14歳のプロ棋士・藤井聡太四段が、ついに、なんと、歴代連勝記録の単独トップとい
-
-
連邦最高裁判事9人が形づくるアメリカの歴史
下の写真がアメリカ連邦最高裁判所だ。各種ニュース等での報道の通り、今回はこの最高裁が、これまで人工妊
-
-
絶対に負けられないサッカー・ワールドカップの舞台裏:スポーツブランドのもう一つの闘い
「絶対に負けられない戦い」に直面しているのは、もちろんサッカー選手だけではない。監督やスタッフ等もそ
-
-
法律改正、脳死判定、臓器移植、そしてコーディネーター
先日、「6歳未満女児の脳死判定、臓器提供へ:国内2例目」というニュースがあった。そして「心臓と肺を男
-
-
囲碁マネーリーグ|井山裕太五冠が11年連続の賞金王そして1億円越え
囲碁棋士の2021年賞金ランキングが発表され、棋聖、名人、本因坊を防衛し王座、碁聖を奪取した井山裕太
-
-
三省堂『辞書を編む人』が、今年の新語を募集中
時を経て社会は変容し、そして言葉も変遷する。いつの時代もワカモノの言葉づかいに口喧しい人はいるが、し

