藤井聡太七段が先勝|現役最強棋士・渡辺棋聖とのタイトル戦
さあ、いよいよ「将棋史に残る決戦」が始まりましたね。そう、弱冠17歳の若き天才棋士・藤井聡太七段。すでに数々の最年少記録を打ち立ててており、いま日本国内にひさびさの将棋熱を巻き起こしているのはご存知のとおりだ。そんな彼が、またしても最年少記録でいま臨んでいる初のタイトル戦、それが昨日始まり、そして藤井が接戦を制して先勝したのである(Yahoo! ニュース「藤井聡太七段、タイトル戦初挑戦で初勝利!渡辺明棋聖との熱戦制す/将棋・棋聖戦五番勝負」)。
将棋の最年少棋士・藤井聡太七段(17)が6月8日、ヒューリック杯棋聖戦五番勝負の第1局で、渡辺明棋聖(棋王、王将、36)に157手で勝利し、タイトル戦初挑戦で大きな初勝利をあげた。史上最年少17歳10カ月20日で晴れの舞台に臨んだ藤井七段だが、三冠を保持する超一流棋士に対して、濃厚な勝負を展開。激しい終盤でもひるむことなく、念願の初タイトルに向けて大きな1勝を手にした。

僕もこれは見逃せない一戦になると感じ、ABEMAの生中継で固唾をのんで見守っていましたよ。いやあ、終始優勢に進めていた藤井七段ではあるが、さすが現役最強とうたわれる渡辺棋聖。最後の連続反撃は一瞬でも気を抜き誤った手を指せば、大逆転を許す、というヒリヒリするような展開でしたね。それにしても、その猛攻を避けきり、自分が詰まないことを確信していたのであろう落ち着き、本当に17歳かよっと思わざるを得ないよね。
それにしてもこの先勝の意味は大きい。何しろ渡辺棋聖にしてみれば、このあとの4戦で3勝しなくてはタイトル防衛とならないのだ。いま圧倒的な強さで進撃を続ける藤井七段を相手に、果たして渡辺棋聖といえど3勝をもぎとることができるだろうか。年間勝率が8割を超えているこの藤井七段に対して。というように、次の一戦がますます待ち遠しい展開となった今年の棋聖戦。ABEMAが無料で生中継してくれることにも本当に感謝。そして次は6/28に行われる第二戦をいまから首を長くして待ちたいと思う。
しかしながら、われわれ将棋ファンには、6/28の決戦のまえにもうひとつ大事な、そしてこれも絶対に見逃せない、そんな一戦があるのである。それは、竜王戦3組決勝、藤井聡太七段VS杉本昌隆八段、という師弟対決という何とも魅力的な顔合わせなのである!
そう、いまの藤井七段があるのは、この師匠・杉本昌隆がいたからこそなのである。テレビ番組でもひょうひょうとした雰囲気でコメントしているのをご覧になった方も多いだろう。幼い藤井少年を、のびのびと気持ちよく将棋を打たせ、そして強くしていった杉本八段の育成方法は、伝統的で古風な育て方とはずいぶんと異なるものだ。しかし、こうした新しい手法が、AI時代の棋士育成にはまったのかも知れない。杉本のもと、藤井はぐんぐん強くなり、数々の最年少記録を打ち立てていまや初のタイトルをもちろん最年少で奪取しようという勢いである。そんな愛弟子の活躍を杉本はいまどんな思いで見守っているだろうか。そして来る6/20の師弟対決という決戦に向け、師匠と弟子それぞれは、いまどんな気持ちで当日に臨もうとしているだろうか。杉本の以下の著書は、どうやって藤井を天才棋士に育てていったのか、という自分主体ではなくて、どのように藤井少年が育っていったのか、という、藤井が持つ個性を中心に書き下ろしたものである。大変にユニークであり、そして現代的でもある、こうした子供の育ち方が、いま多くの人から注目されているというのも納得することだろう。藤井七段のさらなる活躍をまえに、あらためてこれまでの歩みを師匠の視点で振り返ってみてはどうだろうか。おすすめの一冊です。
師匠から見た弟子・藤井聡太の「学び方」とは!! 将棋盤を抱きかかえて号泣していた子どもは、中学生でプロ棋士になった。「将棋に関しては、師匠に自由に反論していい」と言う著者は、いかにして弟子・藤井聡太を導いたのか。内容例を挙げると、 ◎七割以上を目指すには、自分で考えなければならない ◎悔しさが才能を伸ばすエネルギーになる ◎対局の機会の少なさが集中力を鍛える ◎コンピュータが選ばない勝負手を指す ◎学ぶ側には信念、指導者には柔軟性 等々。「思考力」「集中力」「忍耐力」「想像力」「自立心」「平常心」……将棋に強くなるために要するこれらはすべて、私たちが人生をより豊かに生きていくうえで必要な学びである。本書では、藤井聡太という才能、兄弟弟子との交流、師弟関係の源流ともいえる、著者・杉本昌隆の師匠・板谷進との師弟関係から、「真に学ぶこと」とは何かを明らかにする。
藤井七段は、幼いころ、将棋で負けると盤を抱えて泣きじゃくっていたそうです。今の時代「悔しい」と口に出すことや、実現できないことにいつまでもこだわる「あきらめない」気持ちは流行りません。しかし、各界で活躍される著名人の方々は総じて「悔しがり」であり、その「悔しさ」をバネにして活躍されている方ばかりです。その「悔しさ」を力に変えて前に進む方法を師弟の体験を交えつつ、本書で著してもらいました。藤井七段が、いかにしてたゆまぬ努力を楽しんでいるかを師匠の視点で明らかにします。内容例を挙げると ◎デジタル信号だけで判断できる頭脳 ◎悔しがるのも全力の藤井 ◎シンプルな思考力には遠回りがない ◎将棋修行を生かして一流大学に進んだ若者たち 等々 杉本さん主宰の将棋研究会からは、棋士になることに挫折したとしても「悔しがる力」を携えた結果、東大生や医大生も生まれているとのこと。ビジネスパーソン、親世代必読の一冊です。
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