Kindle電子書籍『クラウドソーシングの衝撃』は、成長著しい市場を概観する希少な業界本
『クラウドソーシングの衝撃』(比嘉・井川著)がKindle電子書籍が大幅に値下げされている。本書は現在成長が著しいクラウドソーシング市場を概観した良書であり、この分野に興味がある人にとっての必読書と言えるだろう。
日本のランサーズやクラウドワークス、海外ではFreelancer.com や Elance 等々の企業がひしめくこの業界だが、新しい市場だけに業界や企業特性を整理した書籍はいまのところ本書しか見当たらない。以前に「クラウドソーシングの衝撃:世界最大手Freelancer.comの上場と業界再編」の中でもおすすめしたように、この業界について知ろうと思ったら、ベストにして唯一の一冊と言えるだろう。
クラウドソーシング(Crowdsourcing)とは、インターネットを通してワーカー(働き手)と仕事の発注側をダイナミックに結ぶシステムで、米国ではその仲介サービスに2000万人以上が登録しており、日本でも新たなプラットフォームサービスが立ち上がりつつあります。終身雇用が崩壊し、個人は自らのスキルをもとに会社にとらわれない働き方を目指し、企業側は柔軟な人材活用にもとづいた組織の再構築にせまられている今、クラウドソーシングはそのひとつの解として注目されています。本書は今後の社会に大きなインパクトを与えるであろうクラウドソーシングについて、その市場、具体的なサービス、個人・企業に対する影響を解説します。クラウドソーシングの全体像を学ぶのに最適な一冊です。
本書の具体的な読みどころは以下の3点。詳しくは以前に書いたとおりだ。
- 従来の方法では達成できないコストダウン(50-90%)や開発スピードアップ(4-10倍)が可能となる
- 最低限の英語力があれば海外からの受注が簡単に実現可能で、市場が世界に広がる
- クラウドソーシング時代には、これまでと異なるマネジメント能力が必要となる
photo credit: daniel_iversen via photopin cc
このクラウドソーシングというのは、自分で使ってみないと「何が衝撃」なのかよく分からないと思う。そこで、僕が実際に世界最大のクラウドソーシング・サービスである Freelancer.com (フリーランサー・ドットコム)を使ってみた経験を以下で紹介したとおりだ。論文の校正サービスとして利用したのだが、そのスピードの早さ、その品質の高さ、そしてその価格の安さ、すべてにおいて目眩がするほどの衝撃を受けたのはご存知のとおりだ。
- Freelancer.com の衝撃:英語論文校正・添削の新時代
- やっぱりスゴイ|世界最大のフリーランスへのアウトソーシングサイト Freelancer.com
- クラウドソーシングと、グローバルな人材獲得競争
是非一度その「スゴさ」と「衝撃」を実体験してみて欲しい。仕事に対する考え方が間違いなく変わる瞬間だと思う。その意味でも、本書のサブタイトル「雇用激動化時代の働き方・雇い方革命」というサブタイトルも、「会社は消えても、プロは生き残る。」というキャッチコピーも、まさにその通りだと思えるのだ。
また、僕自身は未読であるが、以下の3冊は日本のクラウドソーシング最大手2社(クラウドワークスおよびランサーズ)に関連したものである。
Amazon Campaign
関連記事
-
-
ビル・ゲイツが2013年のNo.1書籍に選んだ『コンテナ物語』
ビル・ゲイツ氏が選ぶ「2013年に読んだ記憶に残る7冊の本」が昨年末何かと話題となったが、その中でイ
-
-
世界で最も成功したスポーツビジネス:アメフトNFLとスーパーボウル
米国で最も盛り上がるスポーツイベントと言えば、アメフトのスーパーボウル。個人的にはいまだにアメフトの
-
-
事実は小説より奇なり|大人が味わうノンフィクション
先日おすすめした『10代のための読書地図』と同じブックガイドでありながら、そのテイストが大幅に異なる
-
-
明鏡国語辞典の最大の特徴は「問題な日本語」に対する答え
国語辞典編纂という仕事は、とても重要なものなのに一般に知られることがほとんどない。その職務内容やそこ
-
-
これは面白いピタゴラス的発想!|「解きたくなる数学」をビジュアルで考える
以前に「クリエイター佐藤雅彦が好きだ|最新著『ベンチの足』にみるユニークな視点」でも書いたように、僕
-
-
待望のシリーズ最新刊|『英熟語図鑑』で学ぶ基本動詞を使った自然で豊かな英語表現
以前に「効果抜群おすすめ英単語超学習法|語源から理解して飛躍的に語彙を広げる」でもおススメした、『英
-
-
いま囲碁がとんでもなく面白い:弱冠24歳の6冠井山裕太
先月のNHKプロフェッショナル「盤上の宇宙、独創の一手。囲碁棋士・井山裕太」を見た。あまりにも面白く
-
-
あの藤井聡太が5回負けた|プロ棋士最終関門・奨励会地獄の三段リーグ
今回のスポーツ総合誌Number、将棋特集第2弾はこれまた読み応えのある記事が多数揃っており、非常に
-
-
東京五輪と同時開催していた「数学オリンピック」でも日本代表がゴールドメダル|この漫画がスゴい
東京オリンピックが閉会した。日本代表選手が獲得したメダルの数や色に一喜一憂するのは当然かも知れないが
-
-
今年のクリスマスもまたアメリカ現代社会の象徴「メガチャーチ」を思い出す
今年もいよいよクリスマス。そしてこの時期、毎年のように思い出すのがアメリカのメガチャーチである。「現





