電子書籍市場の急拡大:2018年には米国と英国で紙書籍を追い抜くか
今年は、電子書籍がより一層勢いを増して拡大した一年だったと振り返ることが出来るだろう。2013年の始め頃にはまだ「今度こそ本当の電子書籍元年か?」なんて言っていたのを思い出すと、もはや隔世の感である。それは日本の市場のみならず海外でも、とくに米国と英国において顕著だったと言えるだろう。
New York Times の記事で紹介されているように、米英両市場での電子書籍の拡大は他国を圧倒するスピードで進んでいる。2009年には全体の5%程度でしかなかった電子書籍の売上が、2014年には40%近くまで急伸している。そしてこの勢いそのままに、2018年には電子書籍市場が紙書籍市場を追い抜くと予想している。
それではその2018年時に、日本の市場で一体どれくらい電子書籍が普及しているだろうか?その予想を示したのが以下の図(Economist 記事)である。これよりもさらに拡大し、その市場規模は2,790億円程度という予測(インプレス総合研究所)もあるが、いずれにしても2013年の3倍近くまで拡大するというのが大方の見方のようである。
さて、そんな電子書籍市場の拡大を担ってきたのが、ご存じの通り Amazon であり、Kindle である。インプレスR&D調査では、電子書籍ストアの利用率は、Amazon「Kindleストア」が断トツの首位で 55.2%、2位のApple「iBookStore」(17.5%)、3位の紀伊国屋書店「Kinoppy」(13.5%)、4位の楽天「Kobo」(11.9%) といった競合に大きな差をつけている。(参考:朝日新聞「アマゾンの電子書籍戦略を聞く」)
そんな僕ももちろん Amazon Kindle のヘビーユーザーで、端末 Kindle Paperwhite をこよなく愛している。これがもう出張時はもちろんのこと、ちょっとした外出時にも欠かせないアイテムとなっているのである。iPad Air 2 も愛用しているのだが、電子書籍を読むならやっぱり Kindle 端末の方が目に優しく、なによりも軽い。そしてネットを徘徊することなく読書に集中できるということ、それらが Kindle の優れたポイントとなっている。
そんなKindle 端末の最新製品が、先日登場した Kindle Voyage である。Paperwhite よりもさらに解像度が高まり、さらに軽くなっている。それだけで欲しくなってしまう製品なのだが、値段が Paperwhite の2倍するということで、僕自身は今のところまだ様子見といった状態なのである。
しかしながら、もしまだKindle 端末をもっておらず、電子書籍に興味があり、このクリスマスシーズンに新たに購入してみようかと思っている人にとっては、今が一番の買いどきかも知れない。これだけ普及が進んだ今ならば、そして既に前世代からの改良を繰り返したKindle端末であれば間違えようがない。なによりも、Kindleストアで買える電子書籍の品揃えが圧倒的に充実してきたことが、一番のアドバンテージと言えるだろう。さらには、現在のKindleウィンターセール「クーポンで割引キャンペーン」により、2,000円割引で買えるというクリスマス・プロモーションが行われている真最中なのである(12月25日まで)。
これまでにもおすすめしてきたように、Kindle ストアでは物凄い数の商品を、その時どきに応じて大特価セールを行っている。現在はKindle書籍年末大セール が開催中であり、ベストセラーの『シグナル&ノイズ 天才データアナリストの「予測学」』から古典的傑作『縮みゆく男』、そして多種多様な「今おすすめの漫画」までが大幅に値引きされており、読書三昧の冬休みを過ごすにはぴったりのタイミングとなっているのだ。ぜひこの冬は、素敵な読書を、電子書籍で。
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