リズム・トーン・メロディの強弱と切替で考える英語スピーキング
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最終更新日:2015/05/22
英語
僕のおすすめの英語テキストの一冊『日本人の知らないワンランク上のビジネス英語術』。
本書およびその著者ウィリアム・ヴァンスの一連の英語テキストは、確かに非常に使えるシリーズなのである。インチキくさい風貌のドクター・ヴァンスなんだけれども、彼のテキストが思いのほか役に立ったことは正直に告白せねばなるまい。
以前にも書いたように、英語で夏期講習の授業を担当することが決まった際に、スピーキングについて色々と勉強したのだが、その際に最も役立ったのが上記の『日本人の知らないワンランク上のビジネス英語術』と、同じ著者ヴァンスによる以下の『英語で考えるスピーキング』である。
(参考:英語講義&スピーキングのまとめ)
本書から学んだことの1点目は、リズム・トーン・メロディの強弱と切替。とくに、「標識となる言語」すなわち transitional devices を効果的に使うことによって、「トーン(強調)と transition (展開)だけで、話している内容の8割は伝わる」という指摘。これは大変に実践的なアドバイスで、リズミカルでメロディアスな英語を話すのは残念ながら諦めるにしても(苦笑)、それでも強調と展開をきちんと使えるだけで、コミュニケーションには十分なスピーキングになり得るのである。
photo credit: Stéfan via photopin cc
ヴァンスの指摘から学んだ2点目は、「リズム・トーン・メロディの強弱の「強」に更なるパワーを注入する」ということ。これは、彼のもう一つのテキスト『ビジネス・プロフェッショナルが使うパワー英単語100』でも詳しく解説されている。英語で推薦状を書いた際にも参考にしたのだが、本書でリストアップされている「パワー英単語」に置き換えるだけで、文章全体が驚くほどパワフルに変貌したことに、自分自身でも驚いてしまったほどだ。
(参考:英語で推薦状を書いてみた)
そして、ヴァンスのこの『パワー英単語』と同じ趣旨でまとめられているのが、以下の関谷英里子の『ビジネスパーソンの英単語帳』シリーズだ。こういうパワフル英単語は多数使えるにこしたことはない。その意味でも、ヴァンスのシリーズと合わせておすすめする「めちゃくちゃ使える」英単語テキストなのである。
ちなみに国際大学では、授業はすべて英語で行われている。フィリピンやアフリカの学生はもちろんのこと、流暢な英語を話す学生は多い。だから、講義するこちら側としてはスピーキングには今もとても気を使うし、少しでもレベルアップしていきたいと思うところなのである。
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