*

Kindle電子書籍で手軽に読む高野秀行の探検記シリーズは、フィクションかと思うほどの強烈ノンフィクション

公開日: : 最終更新日:2018/09/19 Kindle, オススメ書籍

高野秀行という作家はものすごく強烈な個性を放っている。「高野秀行はセンス抜群の海外放浪ノンフィクション作家」でも書いたように、僕もうっかり彼の毒気にやられてしまい、今ではすっかりその虜となってしまった。そんな彼の一連の壮絶な探検放浪記を、いまではKindle電子書籍で手軽に読むことができる。まだ読んだことがない人は、ぜひこの機会に読んで欲しいし、クセになるほどの彼の経験と文章を味わってもらいたい。

 

credit: carlaarena via FindCC

credit: carlaarena via FindCC

 

彼の最新作『恋するソマリア』がKindle化されたばかりだが、これは『謎の独立国家ソマリランド』で、この未知なる国を紹介した著作の続編という位置づけである。

 

高野の数多くの著作の中からまず最初に僕がオススメしたいのがこの『イスラム飲酒紀行』だ。宗教上、酒を飲むことが厳格に禁止されているイスラムの国々を訪れ、地元民の、地元民による、地元民のための地酒を飲むっていう、ものすごい企みである。そのアイデアとセンスが抜群なのはもちろんのこと、体を張ってときには命がけで酒を飲みに行くその姿勢がすさまじい。冒頭に描かれているように、まさに「吾輩は酒飲みである、休肝日はまだない」なのである。超オススメの一冊。

 

続けてお薦めしたいのが、こちらの『アヘン王国潜入記』である。これは「ゴールデン・トライアングル」と呼ばれる、タイ、ラオス、ミャンマーの三カ国の国境に広がる麻薬地帯を著者が訪れ、小さな村に長期滞在して自ら麻薬栽培に精を出す、というマジですか!?」っていう試み。上記のイスラム飲酒紀行に負けず劣らず、怖いものなし、というか怖いもの見たさのアタックであり、さすが早稲田大学探検部だともはや畏敬の眼差しで著者を見つめてしまう、そんな内容となっている。

 

そういうワセダ探検部OBであり著者が、長かった学生時代を綴ったエッセイがこちらの『ワセダ三畳青春記』。暑苦しいほどにアツく激しい学生時代を過ごした著者が述懐するあの頃は、読んでいても切なくホロリとなる。「辺境ライター高野秀行の原点『ワセダ三畳青春記』の「野々村荘」こそ日本最後の秘境」でも紹介したが、いつもの探検記とはまた異なるテイストで読ませる一冊。

 

続けて『未来国家ブータン』。幸せの国ブータン。このちょっぴり不思議な国を、僕も昨年旅する機会があったのだが(参考「ブータン仏教の聖地・タクツァン僧院に行ってきた」)。高野秀行がこの国をたずねると、こんなにも違った景色として描かれるのか、という驚愕の旅行記。だってフツウ、この国に雪男なんか探しに行かないでしょ・・・。

 

 

credit: permanently scatterbrained via FindCC

credit: permanently scatterbrained via FindCC

 

 

そんな風にして、すっかり高野秀行ファンとなってしまっていた僕が、最近購入したのが以下の3作品。まだ読んでなかったんだよね~、と今から読むのが楽しみです。上記であげたものも含め、高野秀行という探検作家をぜひとも知って欲しいと思う次第だ。ハマるよ、間違いなく。

 

 

Amazon Campaign

follow us in feedly

関連記事

日本語の誤用をとことんを考える『明鏡国語辞典』が10年ぶりに大刷新|新しい「問題な日本語」

今年も国語辞典の話題が多かったが、最新のトピックとして最も注目すべきなのは、やはりこちら、『明鏡国語

記事を読む

浦沢直樹の漫勉neoと、すぎむらしんいち『最後の遊覧船』

NHKの人気番組『浦沢直樹の漫勉』シリーズは、昨年neoが放送され、現在はそれらが再放送されていると

記事を読む

数学者たちの異常な日常|世にも美しき最後の秘境

以前に「あたなの知らない、世にも美しき数学者たちの日常」でも紹介した、二宮敦人著『世にも美しき数学者

記事を読む

japanese dictionaries 1

卒業・進級・入学のお祝いに|今も昔も定番の国語辞書をプレゼント

いよいよ春も近い。それはすなわち、卒業シーズンを迎え、そして進級・入学・入社といった新たな始まりを意

記事を読む

NHK短編ドラマ・星新一の不思議な不思議な世界

7/4月曜から始まるNHKの短編ドラマは大注目だ。なにしろ、あのショートショートの傑作をこれまで千編

記事を読む

サッカー監督の戦術と采配|究極のファインプレー

7/6水曜にNHKで「サッカーの園〜究極のワンプレー〜ワンプレーに秘められた極意 サッカーの神髄に迫

記事を読む

NHKの異色数学番組『笑わない数学』第2回は「無限」の魅力と魔力に迫る

さて、初回が放送されたばかりのNHK『笑わない数学』、ご覧になりましたか? 第1回では「素数」の謎に

記事を読む

この漫画がすごい『数学ゴールデン』が描く数学オリンピックの世界

Amazon では Kindle 電子書籍の大規模セールをしばしば開催しているが、こうしたキャンペー

記事を読む

リチャード・マシスン『縮みゆく男』と、名医ブラックジャックにも治せない病

普段は僕自身読むことも少なく、おすすめする機会もほとんどないフィクションの分野。だけどこれだけは紹介

記事を読む

できる研究者の英語プレゼン術|スライド作成からストーリー展開まで

以前に紹介した、ポール・シルヴィア著の『できる研究者の論文生産術』は素晴らしい一冊である。著者は20

記事を読む

Amazon Campaign

Amazon Campaign

卒業・入学おめでとうキャンペーン|80年記念の新明解国語辞典で大人の仲間入り

今年もまた合格・卒業、そして進級・進学の季節がやってきた。そう、春は

食の街・新潟県南魚沼|日本一のコシヒカリで作る本気丼いよいよ最終週

さて、昨年10月から始まった2022年「南魚沼、本気丼」キャンペーン

震災で全村避難した山古志村|古志の火まつりファイナルを迎える

新潟県の山古志村という名前を聞いたことのある人の多くは、2004年1

将棋タイトル棋王戦第3局|新潟で歴史に残る名局をライブ観戦してきた

最年少記録を次々と塗り替える規格外のプロ棋士・藤井聡太の活躍ぶりは、

地元密着の優等生|アルビレックス新潟が生まれたサッカーの街とファンの熱狂

J2からJ1に昇格・復帰したアルビレックス新潟が今季絶好調だ。まだ4

【速報】ついに決定|14年ぶりの日本人宇宙飛行士は男女2名

先日のエントリ「選ばれるのは誰だ?夢とロマンの宇宙飛行士誕生の物語」

3年ぶりの開催|シン魚沼国際雪合戦大会で熱くなれ

先週末は、コロナで過去2年間見送られてきた、あの魚沼国際雪合戦大会が

国語の入試問題なぜ原作者は設問に答えられないのか?

僕はもうはるか昔から苦手だったのだ。国語の試験やら入試やらで聞かれる

PAGE TOP ↑