都市別外国人観光客ランキング:中国人観光客から今後はロシア人観光客へ
公開日:
:
最終更新日:2014/04/22
ニュース
英国の市場調査会社ユーロモニターが発表した最新の都市別外国人観光客ランキング(日本版ウォール・ストリート・ジャーナル)。2012年の数字が最新とはちょっと残念だが、いくつか面白い点が。
2,380万人で第1位となった香港と、2,130万人で第2位となったシンガポール。その出発地別の内訳が極端で興味深い。まずは香港だが63.5%が中国人観光客。地理的に行きやすいのは当然だとしても、ここまで高い比率となっているとは思わなかった。2009年には700万で第10位だったところ、2010年から一気に中国人観光客が押し寄せるようになり、あっという間に2,000万人を突破。
しかも、EUROMONITOR のプレスリリース原文にあるように “Excludes day trippers and domestic visitors” なわけだから、深センからの日帰り客は含まれていないことになる。久しく香港には行っていないが、そもそも香港の人口が700万人しかいない小さな都市なのだから、今行くととんでもなく大混雑しているということなのだろうか。
一方のシンガポールは、マレーシアとインドネシアの2国からの観光客数が全体の過半数を占めるということ。そして中国が第3位で9.6%のシェアとなっているわけで、シンガポールも思ったほど国際的でないというのか、アジア近隣各国の経済成長が著しいというべきか。いずれにしろ、ここまで「アジア圏内」で大きな移動があると思っていなかっただけに大変に新鮮に受け止めた。
photo credit: katerha via photopin cc
最後に気になったのが、今後の世界の観光客が中国そしてその後はロシアへとシフトしてという指摘。中国人観光客はいまや世界中を席巻しているだけに何ら不思議なことはないが、次にロシアとはね。そしてそんな中国人やロシア人にとって、タイがとても魅力的な観光スポットになるという予想。バンコクもほんと久しく行っていないのだが、いまやどんな観光地となっているのだろうか、次に行くのが楽しみだ。
Future Growth will be Driven by Chinese and Russians Travellers
In 2012, the top five countries in terms of number of international departures were Germany, the US, the UK, China and Russia. By 2017, China will lead with Germany in second place and Russia in third. Therefore, cities which appeal to Chinese and Russian travellers will experience stronger growth, especially those in neighbouring countries. China’s ban on shopping tours, effective from 1 October 2013, may cause a short-term dip to cities with a high share of such trips, such as Hong Kong and Seoul.
In particular, Thailand is well positioned to benefit from the strong growth of both Chinese and Russian travellers thanks to its proximity, shopping and attractions, although the current political unrest may undermine growth in the short term, more so for Bangkok than other destinations which can be reached directly. In the long term, nevertheless, Euromonitor International expects that Bangkok will cement its position as the third most visited city, while Phuket, Pattaya and Chiang Mai will continue their ascent in the rankings.
Amazon Campaign

関連記事
-
-
オープンガバメント:ニューヨーク市消防庁のオープンデータ戦略
ニューヨーク市の消防庁が、データを使って建物検査を効率的に行っているというウォール・ストリート記事。
-
-
熱い将棋の夏|初企画オールスター東西対抗戦のファン投票始まる
近年の将棋界はいろいろと攻めていると思う。藤井聡太二冠のような400年に一度のスーパースター登場に依
-
-
クラウドソーシングの衝撃:世界最大手Freelancer.comの上場と業界再編
「クラウドソーシング・サービスの使い方: 世界最大の Freelancer.com が早くて安くて素
-
-
バッタの大群襲来|書籍『バッタを倒しにアフリカへ』が現実に
以前に「若き昆虫学者のアフリカ|いまこそ昆虫が面白い」でも書いたように、昨今にわかに昆虫ブームなのは
-
-
5月25日は「広辞苑の日」って知ってましたか?
「ことばは、自由だ。」というキャッチフレーズでも知られる、岩波書店の「広辞苑」は、国語辞典の代表格と
-
-
中央アジア訪問記:シルクロードの要衝ウズベキスタン
報道の通り、先週から安倍首相がモンゴルおよび中央アジア5ヶ国を訪問している(NHKニュース)。しかし
-
-
電子書籍市場の急拡大:2018年には米国と英国で紙書籍を追い抜くか
今年は、電子書籍がより一層勢いを増して拡大した一年だったと振り返ることが出来るだろう。2013年の始
-
-
米国Amazonの第2本社候補地選びがついに決着
1年以上に渡って注目を集めてきた、米国アマゾンの第2本社候補地選び。5万人以上の雇用を生むというこの
-
-
埼玉県にヘルプに行っていた十日町の除雪隊と、記録づくめの地元雪まつり
2月の関東近辺で記録された大雪。ふだん雪が積もることが少ない地域だけに、埼玉県の秩父市や小鹿野町等、
-
-
海をわたって不可能を可能に|大谷翔平メジャーリーグMVP
大谷翔平、満場一致で最高栄誉のMVPを獲得。投打の二刀流で大活躍のシーズンを見せた大谷、ほんとに漫画