昨年の米国で “the Most Well-Read City” に輝いたのはシアトル
公開日:
:
アメリカ
昨年も「米国Amazon.com が公表する、アメリカとカナダの Most Well-Read Cities」に書いたように、米国Amazonでは毎年都市別の売上ランキングを発表している。プレスリリースで公表された昨年のデータでは、一昨年の4位からジャンプアップしたシアトルが1位。それにポートランド、ラスベガスが続いた、という結果となっている。
もちろんAmazon の売上データのみから作られたランキングなので、他の書店での販売数は考慮されていないし、図書館利用ももちろん含まれていない。しかし、Amazonの書籍販売力が増せば増すほどに、このランキングはより意味のあるものとなっていくだろう。
そしてもう一つ大変興味深いのが、アメリカの都市ごとに特徴があるということ。例えば上記プレスリリースでも言及されているように、シアトルは新聞・雑誌含めた書籍販売全体での1位の他、電子書籍の売上でも全米ナンバーワンとなっている。さすがにAmazon本社を抱えた土地柄というのが関係しているのかも知れない。その他にも、シアトルを抜いて紙の書籍で販売第1位となったのはワシントンD.C.とのこと。これも数々の省庁やシンクタンクを抱える首都ならではの事情だと言えるだろう。ラスベガスが1位となったのは「恋愛もの」ということで、これも納得してうなずいてしまうのではないだろうか。
というように、何かと毎年眺めてはおもしろく思っているこの米国Amazonの the Most Well-Read City ランキング。日本のAmazonでも都市別や都道府県別でできないのだろうか。Amazonジャパンのプレスリリースのページは米国と比べて著しく貧弱で滅多に見ることがないのだが、Amazon Student 大学別会員数ランキング のようなユニークな情報をもっと発表してもらいたいものだ。
Amazon Campaign

関連記事
-
-
町山智浩『知ってても偉くないUSA語録』は秀逸な現代アメリカ社会批評
映画評論家の町山智浩をご存知だろうか?そして、彼の秀逸な現代アメリカ観察記をご存知だろうか?そんな週
-
-
アメリカ地方自治体の分断:富裕層による独立運動
先日のNHKクローズアップ現代を興味深く視た。「“独立”する富裕層 ~アメリカ 深まる社会の分断~」
-
-
パーソナルゲノム時代の医療:米国の予防的手術
本日の Kindle 日替わりセールに『遺伝子医療革命 ―ゲノム科学がわたしたちを変える』が登場。紙
-
-
米国Amazonの第2本社候補地選びがついに決着
1年以上に渡って注目を集めてきた、米国アマゾンの第2本社候補地選び。5万人以上の雇用を生むというこの
-
-
現代アメリカ社会の象徴:メガチャーチの誕生と新たなコミュニティの創造
毎年クリスマスを迎えるたびに思い出すことがある。それは若い頃の甘酸っぱいデートの記憶、ではもちろんな
-
-
リンクトインのデータに見る、アメリカの新卒採用と転職行動
雑誌WIREDの記事「アップルやグーグル、フェイスブックはどの大学の卒業生を採用しているのか」で紹介
-
-
【応募書類受付中】NASAが宇宙飛行士を新規募集|火星に行く大チャンス
もうご存知と思うが、アメリカの National Aeronautics and Space Adm
-
-
[若きテクノロジストのアメリカ]宇宙を目指して海を渡る~MITで得た学び、NASA転職を決めた理由
『宇宙を目指して海を渡る~MITで得た学び、NASA転職を決めた理由』を読み終えた。少年の頃に天体に
-
-
町山智浩の『アメリカのめっちゃスゴい女性たち』と、ハズレのない現代米国社会批評シリーズ
「教科書に載っていないし、知ってても全く偉くもないUSA語録」でも紹介したように、町山智浩のエッセイ