中央アジアとシルクロードを舞台にしたおすすめの漫画『乙嫁語り』の細かい描写が素晴らしい
公開日:
:
オススメ漫画
ついに出ましたね、『乙嫁語り』最新第8巻。今回はパリヤさんの結婚物語。いやぁ今回も楽しく読ませて頂いたのだが、それにしても毎回感嘆するのが、作者・森薫の描写力。人物の描き方が秀逸なのはもちろんのこと、それ以外にも家のつくりや家具、服装に刺繍、そして数々の食事まで、そうしたモノの描き込み方が半端無く、毎回新作を読むたびにその美しさ素晴らしさに思わずため息がでてしまうほどなのである。
そして今回の最新作で僕がとても興味深く読んだのが、実は作者のあとがき。なんと森さん、今回念願の中央アジアに行ってきたとのこと!以下で回想されているように、いわゆる観光名所のモスクなどではなく、中央アジアの現地で育っている木や、地元にある壁や溝や天井といったものに大興奮だったらしい(笑)。
なるほどなぁ、これまでの作品でもこうしたディテールの描写が素晴らしかったのだが、今回なにしろ本物の細かさを目の当たりにしているのである。しかも現地で写真集等の資料も山程買い込んできたとのこと。次回以降の作風にさらに反映されるのだろうと、もう今から楽しみでしょうがない。早く第9巻出ないかしらと、今から首を長くしてお待ちしたいと思います。
そんな森薫の傑作マンガ『乙嫁語り』にもろに影響されてしまった僕も、「おすすめ漫画『乙嫁語り』最新巻と中央アジアの遊牧民たち」で書いたように、ぜひとも中央アジアそしてシルクロードを訪ねてみたいと思っていたのである。そんな機会がついにやってきたのが先日のことであり、今回の森さんの中央アジア訪問とまったく同じく、ウズベキスタン・キルギス・カザフスタンの三カ国を周ってきたのは以前に書いたとおりである。アミルやパリヤがこの悠久の大地を駆け巡っていたのかと、その昔の時代に思いを馳せる。それくらい素敵な時間を僕も過ごすことができた。
そんなユニークな漫画『乙嫁語り』は、2014年のマンガ大賞受賞作でもある。もしまだ読んでいないというならば、ぜひともこの世界観をのぞいてみてほしい。今ならKindle版が65%オフの大セール中なので、ぜひこの機会にまとめて読んでみてはどうだろうか。絶対に、間違いなく、中央アジアに行ってみたいと思うことだろう。それくらい魅力の詰まった異色の漫画なのである。そしてこの『乙嫁語り』以外でも、『エマ』や『シャーリー』等の人気の森作品までが現在のキャンペーンで大幅値引きされているので、どうぞお見逃しなく。
Amazon Campaign

関連記事
-
-
おすすめ漫画『乙嫁語り』最新巻と中央アジアの遊牧民たち
漫画『乙嫁語り』の最新第7巻が登場!これは以前に「おすすめKindleコミック『乙嫁語り』は2014
-
-
Kindle版が無料だったので、ものすごく今更だが漫画『島耕作』シリーズを読んでみた
最も有名なサラリーマン漫画といってもいいだろう『島耕作』シリーズ。僕自身はまったく読んだことなかった
-
-
山に登るということ:登山と遭難とそして救助
2008年のマンガ大賞にも選ばれた、山岳漫画『岳』。いまさら言うまでもないが、これものすごく胸を打つ
-
-
宗教と科学の壮大な人間ドラマ|漫画『チ。―地球の運動について―』がめちゃくちゃ面白い
第1集が出版されたときから異色の傑作漫画になると思って注目してきた『チ。ー地球の運動についてー』が、
-
-
大学受験間近|なぜ東京藝大は東大よりも難関なのか?
今年も受験シーズンの真っただ中となった。 国公立大入試の2次試験の出願もしめ切れらたところで、全国
-
-
手塚治虫の夢と野望と欲望と嫉妬:アトムとAKIRA
先日のNHK番組「ザ・プロファイラー~夢と野望の人生~」をご覧になっただろうか?テーマは「手塚治虫
-
-
【速報】ついに決定|14年ぶりの日本人宇宙飛行士は男女2名
先日のエントリ「選ばれるのは誰だ?夢とロマンの宇宙飛行士誕生の物語」でも紹介していたように、 宇宙
-
-
マンガ大好き芸人も絶賛の異色作『チ。地球の運動について』最新刊がさらにおもしろい
宗教的絶望と科学的真理の葛藤。中世の時代、当時の世界を支配するキリスト教の考え「天動説」に挑んだ人た
-
-
父親の経済力と母親の狂気で決まる中学受験|異端の問題作『二月の勝者』がおもしろい
激変する受験界に舞い降りた、最強にして最悪のスーパー塾講師を主人公に据えたドラマ『二月の勝者』がいよ
-
-
人生で大切なことは『アドルフに告ぐ』にも学んだ
先日「人生で大切なことはブラック・ジャックに学んだ」と言った舌の根も乾かぬうちに訂正させてくれ。『ア