*

「もっとヘンな論文」がついに登場|アカデミック・エンターテインメントの最高峰

公開日: : 最終更新日:2021/01/31 オススメ書籍, 研究・論文

NHK Eテレの番組「ろんぶ~ん」をご存知だろうか?ロンブー淳が司会を務める、アカデミック・エンターテインメントなのだが、これが実に面白かったのである。もし再放送のタイミングがあればぜひともご覧頂きたい。

小難しくてとっつきにくいイメージがある「論文」。しかし丁寧に読み解いていくとそこには知的好奇心を刺激してくれる「知の結晶」が詰まっている。この番組は、研究者が人生をかけて生み出した「論文」を“ロンブー”田村淳とともに楽しむ知的エンターテインメントショーである。今回のテーマは“ハゲ”。プレゼンターのトレンディエンジェルが歴史・医学・社会学…など“ハゲ”にまつわる古今東西の論文を紹介する。

 

このように真面目に書かれた学術論文を、おもしろおかしく視聴者に紹介するこの番組を見て思い出したのが、サンキュータツオ著『ヘンな論文』である。しかし、そもそも、この著者サンキュータツオ氏をご存知だろうか?彼は、以前に「サンキュータツオの名著『学校では教えてくれない!国語辞典の遊び方』が待望の文庫化」でも紹介した、当代きってのアカデミック芸人にして、名作中の名作『学校では教えてくれない!国語辞典の遊び方』の著者なのである。もしもまだ読んでいないのなら、今すぐにヨメ、というくらいの傑作なのだ。

 

そんな学者肌の芸人サンキュータツオ氏が続けて放った話題作がこの『ヘンな論文』だったのである。学問を愛するがゆえに珍論文にも同様の熱量で接するサンキュータツオ。「『ヘンな論文』を書き続ける動機と勇気」でも紹介した一冊だが、確かにこれは今まで誰も歩いたことのない道を切り拓く、勇気あるそしてときに常軌を逸した本格派研究者たちの情熱の結晶なのである。

珍論文ハンターのサンキュータツオが、人生の貴重な時間の多くを一見無駄な研究に費やしている研究者たちの大まじめな珍論文を、芸人の嗅覚で突っ込みながら解説する、知的エンターテインメント本!おっぱいの揺れ、不倫男の頭の中、古今東西の湯たんぽ、猫カフェの効果…なかなか見る機会のない研究論文。さがしてみれば仰天のタイトルがざくざく…。こんなことに人生の貴重な時間を割いている人がいるなんて!

 

 

 

しかしながら、そんな珍論文など決して数多く存在しない、だからこそ希少価値があるのだ、そう思っていたのに、なんと、なんと、このたび『ヘンな論文2』が出版されちゃいました!世界は思っていた以上に、ずっと広いんだな・・・。

研究の面白さをたっぷりと味わう!珍論文ハンターのサンキュータツオが、人生の貴重な時間の多くを一見無駄な研究に費やしている研究者たちの大まじめな珍論文を、芸人の嗅覚で突っ込みながら解説する、知的エンターテインメント本。

 

 

というわけで、この世界にまだ触れたこともない人がいるならば、ぜひこの機会に怖いもの見たさでも構わないから、こうした研究者の姿を垣間見てはどうだろうか?そんな風になりたいとは思わないかもしれないが、こんな生き方もあるのかと衝撃を受けるのではないだろうか。おすすめです、ぜひどうぞ。

 

Amazon Campaign

follow us in feedly

関連記事

将棋棋士初の栄冠|『Number MVP賞』は 藤井聡太二冠に決定

先日は以下のエントリでも書いたように、2020年は間違いなく藤井聡太の一年でもあり、将棋棋士がアスリ

記事を読む

writing a research paper

英語論文アカデミック・ライティング絶対おすすめできる18冊

以下のエントリ・シリーズで詳述しているように、これまで僕自身が多種多様の英語ライティングテキストを読

記事を読む

Wall Street Journal 125周年と、アメリカ現代史

ちょうど昨年、「フィナンシャル・タイムズ(FT)とウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」で書い

記事を読む

数学ミステリー白熱教室|数学と物理学の驚異のつながり

「NHK『数学ミステリー白熱教室』本日最終回をお見逃しなく」でも書いたように、先週末でNHKの「白熱

記事を読む

華麗な王者モハメド・アリと、そのアリになれなかった男|沢木耕太郎の名著『敗れざる者たち』と『一瞬の夏』を再読する

2016年6月4日、プロボクシングの元世界ヘビー級チャンピオン、モハメド・アリが74歳の人生に幕を閉

記事を読む

誰も教えてくれない、科研費に採択されるコツを公開|研究費獲得に向けた戦略的視点2019年版

今年もまた、科学研究費助成事業(科研費)の締切が近づいてきた。自然科学系の研究者にとってはもちろんの

記事を読む

東京五輪と同時開催していた「数学オリンピック」でも日本代表がゴールドメダル|この漫画がスゴい

東京オリンピックが閉会した。日本代表選手が獲得したメダルの数や色に一喜一憂するのは当然かも知れないが

記事を読む

アメリカ連邦最高裁判事9人<ザ・ナイン>が歴史をつくる「この国のかたち」

米連邦最高裁判事ギンズバーグの死去とその後任選びで、目前に控える米国大統領選挙がさらに混沌としてきた

記事を読む

ヒマラヤ山脈でイエティの足跡を発見|雪男は向こうからやって来た

ヒマラヤ山中で伝説の雪男「イエティ」の足跡を発見したと、インド軍が公式ツイッターに写真つきで投稿した

記事を読む

越後妻有アートトリエンナーレ「大地の芸術祭」|おすすめの読むべき4冊と訪れるべき5ヶ所

「今年の夏は「大地の芸術祭」越後妻有アートトリエンナーレへようこそ!」で紹介したように、今年は3年に

記事を読む

Amazon Campaign

Amazon Campaign

卒業・入学おめでとうキャンペーン|80年記念の新明解国語辞典で大人の仲間入り

今年もまた合格・卒業、そして進級・進学の季節がやってきた。そう、春は

食の街・新潟県南魚沼|日本一のコシヒカリで作る本気丼いよいよ最終週

さて、昨年10月から始まった2022年「南魚沼、本気丼」キャンペーン

震災で全村避難した山古志村|古志の火まつりファイナルを迎える

新潟県の山古志村という名前を聞いたことのある人の多くは、2004年1

将棋タイトル棋王戦第3局|新潟で歴史に残る名局をライブ観戦してきた

最年少記録を次々と塗り替える規格外のプロ棋士・藤井聡太の活躍ぶりは、

地元密着の優等生|アルビレックス新潟が生まれたサッカーの街とファンの熱狂

J2からJ1に昇格・復帰したアルビレックス新潟が今季絶好調だ。まだ4

【速報】ついに決定|14年ぶりの日本人宇宙飛行士は男女2名

先日のエントリ「選ばれるのは誰だ?夢とロマンの宇宙飛行士誕生の物語」

3年ぶりの開催|シン魚沼国際雪合戦大会で熱くなれ

先週末は、コロナで過去2年間見送られてきた、あの魚沼国際雪合戦大会が

国語の入試問題なぜ原作者は設問に答えられないのか?

僕はもうはるか昔から苦手だったのだ。国語の試験やら入試やらで聞かれる

PAGE TOP ↑