データで考える|史上最高の女子テニスプレイヤーは誰だ?
「データで考える|史上最高の男子テニスプレイヤーは誰だ?」で紹介したように、Financial Times の特集 “The greatest men’s tennis player ever” は大変に興味深いものだった。ただし、男子のデータのみなのが少々残念ではあるのだけれども。
それでは果たして、歴代最高の女子テニスプレイヤーは誰だろうか?もちろんそれぞれの推しがあるだろうが、ここは FiveThirtyEight の記事 “Serena Williams And The Difference Between All-Time Great And Greatest Of All Time” が面白い。
現在の世界ナンバーワンであるセリーナ・ウィリアムズの強さが、上図に示されるように、次第に実力を落とすどころか今まさに二度目のピークを迎えていることだと指摘する。これは他の歴代トップ・プレイヤーであるグラフやエバート、ナブラチロワにも見られなかった特徴だ。
そしてセリーナの現在のトップ地位は今後も揺るぎないだろうと指摘するが、それは他方では彼女に実力伯仲する他の選手が存在しないためでもあり、それゆえに女子テニスの長い歴史として見た場合には、セリーナを歴代ナンバーワンと考えるのは早計だと結論付ける。
いずれにしろ、大変に興味深いデータであり、今後セリーナが二度目のピークをどこまで伸ばせるのか、そんな視点で試合を見ると面白さも一層増すのではないだろうか。
Amazon Campaign

関連記事
-
-
データとマネジメントとストラテジー|ドイツ・サッカー復活の道のり
昨年のサッカー・ワールドカップ。開催国ブラジルを7-1という大差で沈め、決勝でも強豪アルゼンチンを倒
-
-
ラグビー日本代表が強くなった理由|エディー・ジョーンズのコーチング
冬のスポーツ風物詩と言えば、箱根駅伝に加えて高校サッカー、そして大学ラグビーである。そんなラグビーの
-
-
フェイスブックのパーソナルデータが明らかにする、米国スポーツチームのファン境界線はココだ。
これまで何度か書いてきたが、フェイスブックのデータサイエンスチームというのは、いつも興味深いデータを
-
-
テニス・ウィンブルドン決勝|ビッグ・データを制するのは誰だ?
いよいよ今年のテニス・ウィンブルドンも大詰め。女子シングルスでは、第1シードのセリーナ・ウィリアムズ
-
-
錦織圭の全豪オープンテニス準々決勝|対ジョコビッチ戦の敗戦をデータで振り返る
先日「錦織圭の全豪オープンテニスをデータ観戦しながら応援しよう|IBMのSLAMTRACKERが面白
-
-
グランドスラム初優勝を目指す錦織圭の全仏オープンテニスを、SlamTracker でデータ分析しながら応援しよう
グランドスラムでのベスト8進出が、もはや驚きではないということ自体に驚かされる錦織圭のテニス。現コー
-
-
全仏オープンテニス2019|グランドスラム初制覇を目指す錦織圭の戦い
錦織圭、昨日のベスト16の試合では、雨天順延2日間に渡るフルセットの末に地元フランスのペールを破り、
-
-
ウィンブルドン決勝ジョコビッチの優勝をデータで振り返る
さて先日の「テニス・ウィンブルドン決勝|ビッグ・データを制するのは誰だ?」にも書いたように、僕は今年
-
-
フェイスブックから愛を込めて|Data love と love data
「バレンタインの統計学と経済学」で書いたように、Facebook Data Science チームは
-
-
欧州サッカー・マネーリーグ|今年も首位のバルセロナだけれども
毎年、この時期に楽しみなのが、「デロイトフットボールマネーリーグ」である。世界的な監査法人デロイトが