新潟県南魚沼市の銘酒「鶴齢」がJALビジネスクラスの機内食日本酒リストに登場
JALが3月1日から、国際線の機内食にて春の新メニューを提供開始したというニュース。今回のメニュー刷新での最大のポイントは、われらが銘酒「鶴齢」が提供されるようになったことだろう。うむ、地元のオレが言うんだから間違いないぞ。
(Yahoo!ニュース)ファーストとビジネス全便で、日本酒を提供。2016年2月29日までの12カ月間、3カ月ごとに異なる銘柄を用意する。3月から5月までのファーストでは伯楽星 純米大吟醸 桜(宮城県)と磯自慢 中取り純米大吟醸 アメジスト(静岡県)を、ビジネスでは獺祭 純米大吟醸(山口県)と鶴齢 純米大吟醸(新潟県)を、それぞれ提供する。
同じビジネスクラスでは今をときめく獺祭も名前を連ねている。桜井社長がいかに現在の獺祭を築き上げてきたかを綴った半生記『逆境経営』を、発売されてすぐに僕も読んだけど、これが実に面白い。いままで杜氏の匠の技に頼っていた酒造りを改革して近代化・合理化を進め、安酒から撤退し高級酒のみへとフォーカスする。言うは易し行うは難しの典型のような経営であり、まさに「逆境」という名が相応しいどん底にあったからこそ決断できたことでもある。ビジネス書としては珍しく、ものすごくエキサイティングに読んだ一冊だった。
だが僕が言いたいのは、獺祭スゲエ!っていうことではない。それもあるけれども、ここで声を大にして申し上げたいのは、鶴齢もスゲエよ!ということ。ご存知の通り、ここ新潟は日本酒づくりが盛んな地域である。とくに中越地域と称される長岡・魚沼一帯は、水と米がそろう最高の環境となっているのだ。だから、ここにいるとついつい美味い酒ばかり飲んでしまうわけである。
さて、今日ご紹介したいのは、南魚沼に歴史ある蔵を構える青木酒造の銘酒「鶴齢」である。同じ中越の朝日酒造「久保田」や八海醸造「八海山」はもはや全国区のネームバリューがあるが、この「鶴齢」はまだそこまで知られていない。それだけ少量生産となっているわけであり、もしも近所の酒屋やレストランで見かけることがあったら、なくなる前に忘れずに注文を。そしてもしもこの先JAL国際線のビジネスクラスで旅行・出張する機会があるなら、ぜひとも機内食で頼んでみて頂きたい。
そんな「鶴齢」を生み出す青木酒造が店を構えるのが、南魚沼の塩沢地区である。ここは歴史的には三国街道塩沢宿として栄えた宿場町だ。現在も以下の牧之通り(ぼくしどおり)を中心に電柱は撤去され、江戸時代の町並みがきれいに整備されている(南魚沼市公式サイト)。雁木の下をそぞろ歩きには最高の道であり、休日ともなれば大型の観光バスが乗り付け賑わっている。

さて、そんなメインストリートである牧之通りの最先端の角に構えているのがこの「鶴齢」をつくる青木酒造だ。どうだ、この風格ある立派な店構え。やっぱ日本酒の蔵元はこうでなくっちゃと、酒飲みをワクワクさせる外観なのである。ただ残念なことに蔵見学は自由ではないため、特別に公開されるタイミングを見逃さずに参加するしか方法はない。もちろん、オレはそんな千載一遇の機会を逃さずに蔵まで見せてもらったのは、言うまでもなかろう。

もう少し近づいて見てみよう。いやあ、実に格好いい。本当に見ているだけで惚れ惚れとするような佇まい。こりゃあますますファンになるのも頷けるというもの。

そしてこちらが杉玉(すぎたま)。日本酒の造り酒屋の軒先に吊るされるものだが、いまの時代どの会社もやっているわけではない。その意味でも昔の風情を現代に色濃く残すシーンといえるだろう。ちなみにこの杉玉の意味は「新酒できました」という合図。とくに吊るされたばかりの緑色した杉玉はまさに「新酒しぼりたて」であり、次第に茶色ががってくるのは「熟成されてきました」というメッセージでもあるのだ。

店内はこんな感じ。奥には入れず、またここにはレストラン等の併設もないので、非常にこぢんまりしている。ただ、もちろん日本酒の販売はしているので、ぜひお気に入りの一本を買って帰って頂きたい。お土産にもおすすめですよ。僕は鶴齢を飲むときは、いつもここで買うことにしている。日本酒を蔵で毎回直接買ってくるなんてステキでしょ?

そして、毎回気になるほどに充実しているのが、この青木酒造のグッズコーナーだ。「雪男」シリーズも可愛らしいのだが、やっぱり僕はこの藍色の前掛けが欲しいんだよねえ。いつも行くたびに買おうか迷うのだが、今度思い切って買っちゃいますね。それくらい格好いいんだもの!

ちなみに、この牧師通り沿いには、この青木酒造を始めじつに美しく暮らしている人が多い。住民がそれぞれできる範囲で町並みを保とうと努めている結果であり、それが見事なハーモニーを生み出している。

例えば今の時期はまさにお雛祭りのシーズン。200年から300年も前の雛人形が各家庭の玄関先に並べられるのは、実に豪壮な景観である。これもまた青木酒造に限った話ではなく、その周辺の皆さんがそれぞれの家に伝わる人形を一般に見せてくれるのである。玄関ではそんな方々が観光客に人形の由来や歴史を説明しており、こうしたコミュニケーションもこの地域を楽しむ一つの要因となっていると言えるだろう。

今年の雛祭りを逃した方はぜひまた来年お越し下さい。越後湯沢からも近いので、スキー・スノボと合わせて塩沢の街歩きというのがツウな巡り方です。

と思わず青木酒造「鶴齢」と塩沢の魅力を熱く語ってしまったけど、この「鶴齢」はぜひとも皆さんに知って頂きたい、ここ南魚沼の銘酒なのである。そして最後にご紹介しておきたいが、こちらがこの春からJAL国際線のビジネスクラスで提供されることとなった、僕も個人的に愛飲する「鶴齢」純米大吟醸だ!JALに乗る予定がある方はもちろん、そうでない方にも、ぜひ一度その淡麗なる味わいを経験して欲しい。

新潟の酒は美味い。そして久保田も八海山もいいけれど、この鶴齢はまだそこまで知られていない、知る人ぞ知る銘酒なのである、というのが本日のメッセージだ。最初の一本を選ぶなら、お値段リーズナブルで米の味わいバランスもいい「純米吟醸」がおすすめです。
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