日本代表はなぜ負け続けるのか|サッカー・データ革命はどこに?
公開日:
:
スポーツ
サッカー・ロシアW杯出場を賭けたアジア最終予選が始まった。と思った矢先に、対UAE戦にホームで敗れるという、およそ考えうる限り最悪のスタートとなった日本代表。しかし先日のブラジル・リオ五輪の試合を始め、僕らはもう日本代表チーム(男子)の負けグセが今に始まったものでないことは十分に承知している。
いま僕が知りたいのは、日本代表チームにおいて、サッカーの試合を分析・反省して次の勝負に活かすために、いかなる施策が取られているのかということだ。以前に「ワールドカップの閉幕、そしてデータドリブン・サッカーの開幕」で書いたように、2014年ブラジルW杯を圧倒的な強さで制したドイツ代表の武器は Match Insights と呼ばれるデータ分析システムだった。
また、そのドイツの復活・躍進に刺激を受け、いま最もデータ活用が進んでいるのが欧州クラブであるとは「欧州サッカー『データ革命』|スポーツを科学する最前線ドイツからの現地レポート」で紹介した通りである。そうした動きがいまの日本代表にもあるのかどうか、それを知りたいのだ。
もしもないのだとすれば、昨日の監督・選手インタビューにあるように「結果を受け止め」「気持ちを切り替え」「次の試合に勝つだけ」という、もはやいつもお馴染みで聞き飽きた、言葉だけのあまりにも軽いスピリッツしか残らない。そこには、試合に勝てると選手が実感できる戦略も、ファンがそう信じられる武器もなく、この先も勝てないだろうという暗い見通ししか残らない。次のアウェイでのタイ戦の結果次第では、監督交代そしてチーム崩壊となりかねないが、ロシアW杯から早々に離脱し全くのゼロから新たな体制を構築した方がよいのではないかと思えるほどに、昨日の試合は実に、想像を遥かに超えた見事な負けっぷりだった言わざるを得ない。
Amazon Campaign
関連記事
-
野村克也の頭脳とデータ|戦後初の三冠王そして名監督としての実績と名声
日本のプロ野球界に燦然と輝く実績と名声。戦後初の三冠王の栄誉を手にした名キャッチャーにして、監督とし
-
サッカーチームの経済学|デロイト・フットボール・マネーリーグ2016年版
今年もまたこの時期がやってきた。そう、デロイト社によるレポート "Football Money Le
-
地元密着の優等生|アルビレックス新潟が生まれたサッカーの街とファンの熱狂
J2からJ1に昇格・復帰したアルビレックス新潟が今季絶好調だ。まだ4戦を終えたばかりとはいえ現在負
-
グランドスラム初優勝を目指す錦織圭のテニスをデータ観戦しよう
さあ、いよいよ注目の一戦が始まるぞ。2017年の全豪オープンテニス4回戦で、錦織圭がロジャー・フェデ
-
ワールドカップで大番狂わせを狙え|サッカー監督の世界級チームマネジメントの極意
2022年という年は、やはりサッカー・ワールドカップでの日本代表の活躍が強烈な印象として残っている人
-
錦織圭の死闘|全豪オープンテニスが面白い
今年の全豪オープンテニスがめちゃくちゃ盛り上がってますね。観ましたか、錦織の4回戦、5時間を超える壮
-
メジャーリーグ新時代|アストロズ優勝が示す鮮やか過ぎるデータ革命
先日 NHK-BS で放送された「アストロズ革命~MLBデータ新時代~」がめちゃくちゃ面白かったのだ
-
アスリートとお金|有望産業としてのプロスポーツビジネス
いよいよ東京五輪が始まり、改めて注目されるのが今後のスポーツとお金の関係だ。とくにプロスポーツビジネ
-
ラグビー日本代表が強くなった理由|エディー・ジョーンズのコーチング
冬のスポーツ風物詩と言えば、箱根駅伝に加えて高校サッカー、そして大学ラグビーである。そんなラグビーの
-
2023年第99回箱根駅伝・記憶に残るが記録に残らない激走|関東学連・新田颯の名勝負
今年の箱根駅伝は、駒沢大学の三冠達成にくわえ、古豪・中央大学の復活、そして東京国際大学ヴィンセントの