科研費採択された研究者におすすめの2つのサービス|クラウドを利用して研究・事務作業を効率化する
本記事の目次
科研費で利用したい研究効率化のための2つのサービス
さて先日は、今年度の科学研究費助成事業(科研費)の募集要項が発表された。理科系に比べれば、経済学をはじめとする社会科学の研究にかかる費用は圧倒的に少ない。しかし、そうはいっても、PC等のハードウェアから、各種ソフト、そしてデータ購入やリサーチアシスタントの雇用、そして国内外での学会報告にかかる出張経費等々、やはり研究には一定のお金がかかってくる。だからこそ、この科研費に採択されるかどうかというのは、多くの研究者にとって極めて重要なイベントなのである。
photo credit: Guillaume Brialon via photopin cc
僕は幸いにして、前回に続いて科研費に採択されたため、今後数年間はこの研究費に助けられながら仕事を進めていくことになる。このように、新しい研究をスタートさせる春を迎えている方も多いことだろう。そんな人におすすめしたいのが次の2つのサービスだ。僕は以前から使っているものなのだが、これは間違いなく研究および関連事務作業を効率的に進めることができる優れもののサービスなのである。
クラウドソーシングで迅速化とコストダウン
英語論文の校正・校閲に大活躍
まずは何と言っても、クラウドソーシング・サービスだ。これは様々な業務をオンラインで依頼するというもの。僕は英語論文の校正で毎度お世話になっており、その仕事の早さと安さだけでなく、クオリティの高さにいつも驚かされているのだ。
英語がネイティブでない我々にとって、論文を文法面や論理構成面から見なおしてもらうというのは、論文執筆に欠かせないものであろう。一方で、校正・校閲の専門会社というのは大変に価格が高い。そして日数もかかる。だからこそクラウドソーシングなのである。詳しくは「英語論文校正・校閲おすすめサービスの使い方: 世界最大のクラウドソーシング Freelancer.com が早くて安い」にて、仕事の依頼から発注そして納品までのプロセスを細かく紹介した通りだが、価格は十分の一という安さから、そして日数も五分の一という早さで論文校正してもらうことが可能になるのである。
もちろんいくら安くて早くても、クオリティが低いサービスには誰だってお願いしたくない。ところが、このクラウドソーシングのすごいところは、何と言っても世界中から数多くのオンライン労働者が集結していることである。その中から誰に仕事を依頼するのかは自分の判断になるが、きちんとよい相手を見つけることができれば、こんなにも高品質の校正が、この値段とこの早さで!と驚くこと間違いなし。ぜひとも一度、まずは使ってみて欲しい、そんなおすすめのサービスなのである。
優秀なリサーチ・アシスタントとしても活用
そして言うまでもないが、クラウドソーシングでは、英語論文の校正といった文章関連以外の仕事も依頼することができる。実際、僕自身も、データ収集およびデータ整理等の単純作業で利用したことがあるのだが、そのときも実に快適・迅速な仕事ぶりで、とても満足したのである。そのやり方も、僕が利用している Freelancer.com(フリーランサー・ドットコム)を例にとれば、そこで下記のように簡単な仕事概要を書いてオンラインに投稿するだけという実にお手軽なサービスなのだ。
科研費やその他研究費を使って、リサーチ・アシスタントを雇う人も多いだろう。だが、雇うための募集をしたり採用したりと手間暇もかかるし、もし採用したアシスタントの仕事ぶりに納得しなくても、すぐに止めるというわけにもいかないだろう。
だからこそ、ここでもクラウドソーシングが実に使い勝手がいいのである。僕の経験としては、優秀なリサーチ・アシスタントを極めて短時間で採用し、満足のいく仕事をしてくれ、かつその費用も格安だったという程の、素晴らしいものだった。もちろん、その彼の仕事ぶりに満足したものだから、次もまた彼に直接発注したという経験もある。このように、数多くのオンラインワーカーがいるクラウドソーシングサービスでは、最初の依頼相手を見つけるためには慎重になる必要があるが、一旦見つけてしまえば引き続き雇用し続けることも可能なのである。
いまでは多くの会社が競争しあうこのクラウドソーシング・サービスだが、僕自身が使っている Freelancer.com は世界最大級のプラットフォームであり、英語で業務を発注するならものすごく便利なサービスなのである。とくに、上記で書いた英語論文の校正や、英語でできるデータ収集等の作業に最適の、超おすすめのサービスなのである。これも一度使ってみれば、間違いなくその強烈なインパクトを実感するはずだ。
しかも今なら、以下のキャンペーンが実施中で、新規入会時に$20のクーポンがプレゼントされるので、興味ある人はぜひこの機会にこのサービスを使い始めてはどうだろうか。
クラウド会計で研究費を簡単管理
もう一つおすすめしたいのは、やはりこちらもクラウドでの会計サービスである。これは、複数のクレジットカードでの購入履歴、Amazonや楽天等でのショッピング、そして各種銀行口座からの出入金等々まで、お金の管理を一元化することができるというサービスだ。
しかも、支出の仕訳(勘定科目)を自動で、かつどんどん学習していってくれるものだから、一度使ったらもう離れられないほどの便利さを実感することだろう。僕が現在使っているのは freee(フリー)というクラウド会計サービスなのだが、最初は無料プランを利用していたのだが、結局は有料プランに切り替えてしまったほどだ。何しろそれくらい便利なサービスなのだから。詳しくは「科研費およびその他の研究費管理には、クラウド会計がびっくりするほど超便利」で紹介した通りなので、ぜひご参考にどうぞ。
科研費に採択されるために必携のガイドブック
最後に、今年の科研費には採択されず来年もう一度申請しようと考えている人におすすめしたのが、このガイドブック『科研費獲得の方法とコツ』だ。サブタイトルに「実例とポイントでわかる申請書の書き方と応募戦略」とあるように、実際の申請書を公開しその良し悪しを解説してくれるのだ。とくに「悪い例」とされた申請書を公開してくれた著者らには、失敗例からこそ学ぶ点が多いという意味で、感謝してもし切れない。
僕自身、幸いにして前回と今回の科研費に採択されたのは、このガイドブックから数多くの極めて参考になる指摘を得たおかげだと思っている。自然科学系の研究内容だが、審査委員に響く申請書を書くための「応募戦略」そのものに文系も理系もない。このガイドブックを何度も何度も熟読すること、それが科研費に採択される確率を上げることは間違いないと思う。「誰も教えてくれない、科研費に採択されるコツを公開|研究費獲得に向けた戦略的視点」でも絶賛した通りの、おすすめの一冊です。
研究者必携の大ベストセラー! ! 申請書の書き方を中心に,科研費の応募から採択・不採択後の対応まで,気をつけるべきポイントやノウハウを徹底解説!
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