ヒマラヤの山麓、ブータンの春、そしてツェチュ祭:世界で一番美しい瞬間
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最終更新日:2014/06/09
海外
NHK-BSの番組「世界で一番美しい瞬間(とき)」。先日特集されたのが「満月の夜 祈りのとき ブータン・パロ」だった。この番組を通して、ブータンの実に美しい景色と祭りをご覧になった方も多かったのではないだろうか。
ヒマラヤの桃源郷と言われる仏教王国ブータン。第2の都市パロでは、春の訪れを祝いツェチュ祭が行われる。人々が心待ちにするのは、開祖・グルリンポチェが描かれた巨大仏画「トンドル」ご開帳の瞬間。トンドルを目にすると、人はこころに光がさしたような感動を抱くのだという。祈りと共に生きる人々。国の発展と伝統文化を守ることのはざまでゆれる教師の卵。母となったばかりの人気女優。人々の心の中の一番美しい瞬間を探す旅
僕がブータンを訪れたのが今年3月のこと。それはつまり、残念ながらこのツェチュ祭にはまだちょっぴり早い時期であったのである。
- ちょっとブータンまで行ってきた。
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しかし、僕が訪れた当時、この最大の祭りを一ヶ月後に控えた寺院の多くでは、僧侶たちが準備に勤しみ踊りの練習に励んでいる風景を数多く見かけた。その本番がこれなのかと、NHKの番組を見ながら僕は思わず溜息をついた。その余りにも美しい様に対して。
photo credit: Bhutan-360 via photopin cc
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photo credit: 10b travelling via photopin cc
祭りの時期のブータンは観光のハイシーズンとなるため、世界中から観光客が押し寄せる。といってもブータンの国自体が人口約70万人の小国なので、年間観光客数も15万人程度なのだが。ただ、外国人向けのホテルなどはまだまだ数が少なく整備が進んでいないため、祭りの時期にはホテルやガイド等も大幅に値上げされるということだ。
でも、こんなに美しい映像をNHKに見せつけられてしまったら、こりゃあもう一度行きたくなるではないか。それくらいブータンというのは、その国固有の伝統文化に溢れ、訪れる者を常に異世界へと誘う、とんでもない魅力に溢れた場所なのである。ぜひ。
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