テニス・グランドスラム優勝回数ランキング
【追記】「難敵アンディ・マレーをフルセットで倒した錦織が準決勝進出|データで見る2016年全米オープンテニス」では、テニスの試合をデータとともに楽しむ分析ツール SlamTracker を紹介している。ぜひご確認ください。
Economist 誌が掲載した、テニスプレイヤーのグラドスラム優勝回数ランキング。眺めているだけでも色々と興味深い。

例えば、ロジャー・フェデラーが男子テニスプレイヤー歴代最多の優勝回数を誇るが、ウィンブルドンと全米の優勝は歴代2位のピート・サンプラスと全くの同数であるとか。そのサンプラスは結局一度も全仏を制することができなかったことや、一方でラファエル・ナダルの全仏での圧倒的強さを改めて感じるとか。また、男女合わせて歴代1位となっているシュテフィ・グラフは四大大会を満遍なく制覇しており、そのオールマイティーなプレイが光る。
こうしたグランドスラムに限ったデータを、先日「データで考える|史上最高の男子テニスプレイヤーは誰だ?」で紹介した Financial Times 誌のデータと重ねあわせてみるのも面白い。例えば、上記のグランドスラム・ランキングでは同数で並ぶステファン・エドバーグとボリス・ベッカー。この二人は同じ時代に活躍したライバル同志でもあったわけだが、彼らの累積勝率を比較すると次のように、こちらも実にいい勝負といったところだ。

一方で、同じく同時代のライバルとして凌ぎを削ったピート・サンプラスとアンドレ・アガシ。彼らの勝率を比較したのが次のグラフだ。

それほど大きな差があるとは思えず、むしろ初期にはアガシが大きくリードしていたと言える。それでもグランドスラム優勝回数は、サンプラスの14に対しアガシは9と差がついた。これをメジャーな大会におけるサンプラスの勝負強さととるか、アガシの大舞台での弱さと捉えるのかは人それぞれかも知れないが、少なくともデータとして比較してみるというのは、ファンにとってはなおさら興味深いことのように思える。
Amazon Campaign
関連記事
-
-
箱根駅伝・青山学院の圧勝で見せつけた原晋監督のマネジメント能力
2022年の箱根駅伝も面白かったですね! レース自体は青山学院の記録づくめの圧勝という形で終わったた
-
-
錦織の全仏オープンテニス敗戦を、SlamTracker のデータで振り返る
先日は「グランドスラム初優勝を目指す錦織圭の全仏オープンテニスを、SlamTracker でデータ分
-
-
日本囲碁マネーリーグ|賞金ランク首位・国民栄誉賞の井山裕太
さてさて、1-2月にかけては毎年、それまでの一年間の各種ランキングが発表されることが多い。僕自身が毎
-
-
データと恋愛とバレンタインデー
バレンタインデーの週末、みなさまいかがお過ごし予定でしょうか?昨年「バレンタインの統計学と経済学」で
-
-
若き研究者フィギュアスケート町田樹のスポーツ文化論
2022年の冬季北京五輪の開幕も近づいてきた。ウィンタースポーツの代表例のひとつが、フィギュアスケー
-
-
サッカーチームの経済学|デロイト・フットボール・マネーリーグ2017年版
毎年デロイト社が発表するレポートの最新版 "Deloitte Football Money Leag
-
-
フェイスブックから愛を込めて|Data love と love data
「バレンタインの統計学と経済学」で書いたように、Facebook Data Science チームは
-
-
欧州サッカー・マネーリーグ|今年も首位のバルセロナだけれども
毎年、この時期に楽しみなのが、「デロイトフットボールマネーリーグ」である。世界的な監査法人デロイトが
-
-
サッカーワールドカップ優勝予想対決:アルゴリズム vs 市場 vs その他大勢
いよいよ開幕したサッカー・ワールドカップ。日本時間今朝の開幕戦ブラジル対クロアチアは、3-1のスコア
-
-
ワールドカップで大番狂わせを狙え|サッカー監督の世界級チームマネジメントの極意
2022年という年は、やはりサッカー・ワールドカップでの日本代表の活躍が強烈な印象として残っている人
