2015年ことしのベストセラー|人気の国語辞典ランキング
公開日:
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最終更新日:2016/12/26
オススメ書籍
「電子書籍編」および「紙書籍編」に続いて、今回は本ブログ経由でもっとも多く選ばれた国語辞典の紹介である。
本記事の目次
第1位 新明解国語辞典
本ブログで最もアクセスが多いのが、この「国語辞典を選ぶならこの3冊がおすすめ:現代語に強い三省堂・豊かな語釈の新明解・安定と安心の岩波」というエントリである。そこで解説しているように、いま日本で最も売れている人気の国語辞典『新明解』がトップに輝いた。納得の第1位ではないだろうか。
第2位 岩波国語辞典
続いて実に僅差で2位となったのが、伝統ある『岩波国語辞典』である。上記『新明解』のようなクセはないが、だからこそ現在の定評とこの位置を獲得したと言えるだろう。
第3位 三省堂国語辞典
惜しくも第3位となったのが『三省堂国語辞典』だ。「新語に強い」というこの辞典の特徴は、そこまでアピールできていないのだろうか。しかし、その強みは大変にユニークであり、できるならばここで紹介した上位の国語辞典3冊はすべて揃えて欲しいところである。
第4位 例解新国語辞典
続く第4位が『例解新国語辞典』。特別おすすめしたわけではないが、多くの人に選ばれた辞典であり、僕自身もこれから使ってみようと思わされた。
第5位 明鏡国語辞典
「明鏡国語辞典の最大の特徴は「問題な日本語」に対する答え」の中でも解説したように、この明鏡国語辞典も大変に個性的で、だからこそ熱烈に支持する人も多い。とくに「日本語の使い方」に焦点を当てて詳細しており、言葉の意味を調べるだけでなく、それをどう使いこなすか、という視点を大事にしている。そんなユニークな国語辞典であり、ぜひこれも一冊手元に置いておきたいところだ。
第6位 チャレンジ小学国語辞典
「国語辞典ベストセラーランキングに見る人気辞書」にも書いたように、小学生に人気なのがこの『チャレンジ小学国語辞典』。そのランキングの通り、とてもよく選ばれた人気の一冊である。
第7位 例解学習国語辞典
上記の『チャレンジ』と人気を二分するのがこの『例解学習国語辞典』であり、このドラえもん版も奨学生に人気の辞書となっている。
番外編 国語辞典うらばなし
以上が国語辞典そのものの人気ランキングだが、以下では辞書にまつわるおもしろ本を紹介しよう。これらも本ブログ経由でよく読まれた書籍の数々である。
国語辞典の選び方
まずは何と言ってもこの一冊、サンキュータツオの『学校では教えてくれない!国語辞典の遊び方』である。「学校で教えて欲しいおすすめ国語辞典の選び方・使い方・遊び方:複数の辞書を比較して使い分けよう」でもイチオシした内容であり、辞書選びに迷っているなら、ぜひこの本を読み、それぞれの辞書が持つ個性とクセを理解しておこう。辞書をこよなく愛する著者による、愛に詰まった素晴らしい一冊だ。
新明解国語辞典の遊び方
現在圧倒的なナンバーワン人気を獲得した『新明解国語辞典』だが、その地位を不動のものにしたのは、赤瀬川源平のこの一冊と言ってもよいだろう。まるで人格を持ったかのように言葉の定義を解説する新明解国語辞典を「新解さん」と親しみを込めて呼ぶ著者と、その「新解さん」と語釈を通じて対話するその様子に抱腹絶倒の会心の一作。
新明解誕生秘話
そんな『新明解国語辞典』誕生の背景には、辞書業界を超え言語研究の世界においても昭和史最大のミステリーとされてきた謎があったのをご存じだろうか?それは「赤瀬川原平『新解さんの謎』と『辞書になった男』:いま日本で最も売れている「新明解国語辞典」の誕生秘話」で書いた通り、二人の天才の邂逅と決別の物語なのである。NHKで放送されたドキュメントを見逃した方にはぜひこちらの書籍でその謎を追って頂きたい。そこには辞書の中に隠された衝撃の秘密があったのである。
岩波国語辞典の作り方
伝統の『岩波国語辞典』はどのようにして編纂されているのか?その内部事情を公開したものであり、なるほどと興味深く読める一冊。岩波国語辞典を使っているのなら、ぜひ本書も合わせて読んでみてはどうだろうか?ちなみに「右」という言葉を、あなたならどう定義しますか?その名語釈を考え出したのが、ほかならぬ岩波国語辞典なのである。
三省堂国語辞典の新語の集め方
新語に強い『三省堂国語辞典』。しかし、いったい新語ってどうやって集めているの?いっときの流行語も新語として載せちゃうの?そんな疑問におもしろおかしく答えてくれるのがこの一冊『辞書を編む』である。三省堂辞書編纂者が、町を歩き発見した言葉の数々。それは看板のセールス文句であったり、レストランのメニューにあったり、はたまた女子高生の会話に聞き耳を立てて新しい言葉の収集に血眼になる。その狩人のような言葉ハンティングの様子はあまりにも新鮮である。
辞書編纂に関する傑作小説『舟を編む』
上記の『辞書を編む』という書名はもちろん、三浦しをんの傑作『舟を編む』に倣っている。辞書編纂というなかなか陽の当たらない職場を題材に、そこに携わる人物を愛らしく描けるのは、様々な職業に関心を持ちマイナーな仕事を主役に据えることの多い三浦しをんならではの作品と言えるだろう。とても面白い小説、おすすめ。
映画化『舟を編む』
その『舟を編む』はご存知の方も多いだろうが、すでに映画化もされており、これがまた素敵な作品に仕上がっているのである。宮崎あおい、松田龍平、オダギリジョーに黒木華と、若手演技派の競演のおかげもあり、大変みごたえのある映画となっている。ちなみに、又吉直樹も出演してたったご存知でした? Amazonプライム会員 なら、Amazonプライム・ビデオで無料で見ることができる作品でもあり、ぜひおすすめしたい映画なのである。
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