*

日本囲碁マネーリーグ|賞金ランク首位・国民栄誉賞の井山裕太

公開日: : 最終更新日:2021/02/08 オススメ書籍, データ, ニュース

さてさて、1-2月にかけては毎年、それまでの一年間の各種ランキングが発表されることが多い。僕自身が毎回注目しているのが、先日紹介した「欧州サッカー・マネーリーグ」であり、「日本将棋マネーリーグ」であるのだ。であれば、やはりここは囲碁の世界も見ておかねばならないだろう。それが本日紹介する、2020年の囲碁棋士による賞金ランキングだ。

 

Yahoo! ニュース

(1)井山裕太棋聖(31)/1億2851万9441円

(2)一力遼天元(23)/4860万9332円

(3)芝野虎丸王座(21)/4741万2860円

(4)藤沢里菜女流本因坊(22)/2741万0030円

(5)河野臨九段(40)/2692万7300円

(6)山下敬吾九段(42)/2099万3400円

(7)許家元八段(23)/2096万2681円

(8)上野愛咲美扇興杯(19)/1754万5862円

(9)張栩九段(41)/1196万9400円

(10)羽根直樹九段(44)/1172万2000円

今年も井山三冠がダントツでトップの座を守った。棋聖(タイトル料4500万円/以下同)、名人(3000万円)、本因坊(2800万円)は2日制の七番勝負で、囲碁界の三大タイトルだ。井山三冠は、囲碁界のタイトル料が高い順に3つ持ち、それだけで1億円を越えた。  ほかにも阿含・桐山杯(1000万)、NHK杯(500万円)も優勝し、それ以外の対局料も加え、1億2851万9441円となった。  1億円プレイヤーは過去に遡っても小林光一名誉棋聖(3回)、趙治勲名誉名人(4回)、張栩九段(4回)の3人しかいない。4人目の井山三冠は、9年連続1億円越えと驚異的な成績をあげている。

 

 

というように、今年もまた囲碁棋士の第一人者・井山裕太が連続して賞金ランク首位を獲得し、圧倒的な強さを見せつけた。ちなみに僕自身は、将棋が好きなのと同時に、囲碁にも大いに興味を持っている。以前にも次のようなエントリで書いたように、とくに若き天才・井山裕太からは、やはり目が離せないのだ。

 

だからこそ、その井山自身による著書『勝ちきる頭脳』だけでなく、その頭脳と個性をどう伸ばしていったのかを師匠が語る『わが天才棋士・井山裕太』もとても面白く読んだのである。

 

 

さて、そんな囲碁の賞金ランキングを将棋と比べてみると、どんなことが見えてくるだろうか? まずその金額だが、それほど大きく変わらない、というのが第一印象ではないだろうか。将棋の世界においても賞金トップの豊島竜王のみが1億円越えを達成しており、その点で囲碁界の井山と同じ状況だ。加えて、ランク10位の棋士で1,000万ー2,000万円程度、というのも囲碁と将棋の共通点と言えるだろう。

 

一方で、大きく異なる印象を受けたのが年齢である。将棋の賞金ランクにおいては羽生九段を始めとする50代棋士が複数名トップテンに名を連ねているのに対し、囲碁界の最高齢トップテン棋士は44歳だ。若手に注目しても、将棋界では藤井二冠が飛びぬけた成績で弱冠10代ながら唯一のランクインで、20代前半棋士はいない。一方の囲碁では、10代から20代前半の棋士が複数名を連ねており、それだけ若い棋士が活躍している様子が伺える。

 

というように、囲碁と将棋とで、似ている部分と、ずいぶんと異なる部分、そんな比較結果が見えてくるのも、こうしたランキングの興味深いところである。今年2021年の戦いはもちろん既に始まっている。年末に向け今後どんな熱戦が繰り広げられ、そしてその結果としてどんな賞金ランクが新たにつくられるのか、今から楽しみしかない。

 

Amazon Campaign

follow us in feedly

関連記事

欧州サッカー「データ革命」|スポーツを科学する最前線ドイツからの現地レポート

先日書いた「錦織圭の全豪オープンテニスをデータ観戦しながら応援しよう|IBMのSLAMTRACKER

記事を読む

南魚沼の「雪国まいたけ」が5年ぶりに再上場|その背景で創業者はなんとカナダで再挑戦

新潟県南魚沼に本社を構える企業でもっとも有名なのが、この「雪国まいたけ」ではないだろうか? みなさん

記事を読む

fire department in New York

オープンガバメント:ニューヨーク市消防庁のオープンデータ戦略

ニューヨーク市の消防庁が、データを使って建物検査を効率的に行っているというウォール・ストリート記事。

記事を読む

華麗な舞台の裏にあるプロテニス選手の過酷な生活|ランキングシステムが生んだ世界的超格差社会

2018年の全豪オープンテニスがフェデラーの優勝で幕を閉じた。自身が持つ四大大会最多優勝記録を20勝

記事を読む

サッカー監督の戦術と采配|究極のファインプレー

7/6水曜にNHKで「サッカーの園〜究極のワンプレー〜ワンプレーに秘められた極意 サッカーの神髄に迫

記事を読む

熱い将棋の夏|初企画オールスター東西対抗戦のファン投票始まる

近年の将棋界はいろいろと攻めていると思う。藤井聡太二冠のような400年に一度のスーパースター登場に依

記事を読む

欧州サッカー・マネーリーグ最新版|バルサが初の首位・レアルは2位に後退

今年も発表された、「デロイトフットボールマネーリーグ」。これは毎年、世界的な監査法人デロイトが発表す

記事を読む

[若きテクノロジストのアメリカ]宇宙を目指して海を渡る~MITで得た学び、NASA転職を決めた理由

『宇宙を目指して海を渡る~MITで得た学び、NASA転職を決めた理由』を読み終えた。少年の頃に天体に

記事を読む

ニューヨーク・タイムズが選ぶ、今年絶対に行きたい世界52ヶ所

毎年1月恒例のニューヨーク・タイムズ紙の特集。昨年第1位に輝いたのはリオ・デ・ジャネイロだったが、今

記事を読む

テニス・ウィンブルドン決勝|ビッグ・データを制するのは誰だ?

いよいよ今年のテニス・ウィンブルドンも大詰め。女子シングルスでは、第1シードのセリーナ・ウィリアムズ

記事を読む

Amazon Campaign

Amazon Campaign

卒業・入学おめでとうキャンペーン|80年記念の新明解国語辞典で大人の仲間入り

今年もまた合格・卒業、そして進級・進学の季節がやってきた。そう、春は

食の街・新潟県南魚沼|日本一のコシヒカリで作る本気丼いよいよ最終週

さて、昨年10月から始まった2022年「南魚沼、本気丼」キャンペーン

震災で全村避難した山古志村|古志の火まつりファイナルを迎える

新潟県の山古志村という名前を聞いたことのある人の多くは、2004年1

将棋タイトル棋王戦第3局|新潟で歴史に残る名局をライブ観戦してきた

最年少記録を次々と塗り替える規格外のプロ棋士・藤井聡太の活躍ぶりは、

地元密着の優等生|アルビレックス新潟が生まれたサッカーの街とファンの熱狂

J2からJ1に昇格・復帰したアルビレックス新潟が今季絶好調だ。まだ4

【速報】ついに決定|14年ぶりの日本人宇宙飛行士は男女2名

先日のエントリ「選ばれるのは誰だ?夢とロマンの宇宙飛行士誕生の物語」

3年ぶりの開催|シン魚沼国際雪合戦大会で熱くなれ

先週末は、コロナで過去2年間見送られてきた、あの魚沼国際雪合戦大会が

国語の入試問題なぜ原作者は設問に答えられないのか?

僕はもうはるか昔から苦手だったのだ。国語の試験やら入試やらで聞かれる

PAGE TOP ↑