Kindleコミック:おすすめ無料・格安漫画の探し方
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最終更新日:2021/01/31
オススメ漫画
「電子書籍市場の急拡大:2018年には米国と英国で紙書籍を追い抜くか」にも詳しく書いたように、この一年で電子書籍の普及に弾みがついたのは間違いなさそうだ。ただ日本の市場環境にあっては、以下のように(インプレス総合研究所調査)、2013年度は936億円の電子書籍市場のうち約8割をコミックが占めている状況だ(参考:急伸する電子書籍市場 売上の8割はコミックが支える)。
確かに、コミックというのは電子書籍とじつに相性がいい。「Amazonキンドルが広げたコミック市場:ふだん漫画を読まない僕が鈴木みそにハマった」に書いた通り、僕自身にとっても電子書籍でなければ、これまで読まなかった漫画に手を出すこともなかったかも知れない。
また、「おすすめKindleコミック『幽麗塔』(原作は『幽霊塔』):この漫画の売り方と売れ方がすごい」でも紹介した通り、いま電子コミックをどうマーケティングするかというのは各社ともに試行錯誤の段階であり、だからこそあの手この手の販売手法が出現して、それを見ているだけでも新しい市場が立ち上がっていく際の興奮を覚えるのである。
そんな各種手法の最たるものが、Amazon Kindle の実にバラエティ豊かなキャンペーンだ。オンライン書店での欠点の一つとして、予想外の書籍との出会いがないというものがある。確かにその通りなのだが、Amazon のこうした多種多様なキャンペーンは、特価販売するということで今まで手にしたかった客層にまで対象を広げられるという点で有効であり、そして一方の消費者からしてみればまさに予想外の出会いとして機能し始めているように思うのである。少なくとも、上記で書いたように、僕にとってはこうしたキャンペーンがなかったならば、恐らくは鈴木みそ作品も『幽麗塔』も知るきっかけすらなかったかも知れないのである。
というわけで、明日25日までという期間限定で「2,000円割引キャンペーン」がまさに展開中であり、Kindle電子書籍端末が4,980円という低価格から入手可能となった今、今後もさらに電子書籍ユーザが加速度的に増加していくことであろう。と同時に日本においては引き続き電子コミックが市場を牽引していくことが予想されるため、そんな電子コミック普及に向けたAmazon の各種取り組みをまとめておきたい。僕はこうしたキャンペーンで今年ずいぶんと多くの漫画と出会ったように思う。
本記事の目次
期間限定おすすめ無料コミック
まずは何といってもこの「期間限定おすすめ無料コミック」である。このキャンペーンを通じて次々と新しい漫画が無料提供されるものだから、このページをブックマークして毎日欠かさずチェックするというのが、Kindleヘビーユーザの日課なのである。例えば今なら以下の通り三田紀房の『クロカン』第1巻が無料!という具合だ。
Kindle日替わりセール
もう一つの日課がこの「Kindle日替わりセール」をチェックするということ。漫画以外も含め各種電子書籍が1日だけ大特価となるため、こちらもブックマークが欠かせないページ。僕自身はこのセールがきっかけで今まで縁がなかった本と出会い購入することが多い。
Kindle月替わりセール
もう少し時間的に余裕があるのがこの「Kindle月替わりセール」だ。しかも今月は年末年始スペシャルということで、コミックからビジネス書そして文芸やノンフィクションまで、通常よりも多数の書籍・漫画が現在大特価セール中となっている。これも絶対に見逃せないキャンペーンなのだ。
Kindleコミック・ベストセラー
「Kindleコミック・ベストセラー」を定期的にチェックするのも面白い。いまどんな作品が読まれているのかを知ることができるのはもちろん、とくに無料コミックのランキングを見れば、ダウンロードしそびれているものがないかどうかの確認にもなる。
最大20%ポイント還元セール
この「最大20%ポイント還元セール」にもKindleコミックが多数リストアップされている。そのため、ちょくちょく訪問しておくと気になっていたあの作品が断然安く買えたりする大変お得なページなのである。
Kindleセレクト25
この「Kindleセレクト25」は、週替わりで選ばれる25冊の新刊や話題作が、早くも10%ポイント還元となるもの。というわけで、もちろんこのキャンペーンのチェックも毎週怠れないものとなってくる。
Kindleコミック・スターターブック
そして、実に電子コミックらしいキャンペーンがこちらの各種「スターターブック」である。現在の人気作から往年の名作まで、なんと以下すべて無料で提供されているんです!もちろん全話というわけではなく、各エピソードの触りの部分だけが無料で紹介されており、続きが読みたければあとは買ってね、という販売方法。ちょっと立ち読みという感覚を電子コミックに盛り込んだら、結果的にこういう形に結実したという大変に興味深い手法である。
いつでも無料のコミック
以上で紹介してきたのは、主に期間やストーリーが限定されたキャンペーンであった。しかしながら極稀に、全てのエピソードがいつでも無料で読めるという漫画家がいる。その代表例が「現在Kindle版が無料の佐藤秀峰『漫画貧乏』を再読:漫画業界そして電子書籍の革命家」で書いた佐藤秀峰である。なにしろ彼の代表作『ブラックジャックによろしく』は、旧シリーズがいつでも全巻無料となっている。さらには、彼の漫画エッセイ『漫画貧乏』などは書籍を買えば1,200円するところ電子版なら無料で提供されているのである。これはもう衝撃以外のなにものでもない。
というように、電子書籍そしてとくに電子コミックの市場はまだ立ち上がりつつある段階だからこそ、様々なマーケティングが考えられており、それが実に興味深いのである。新たな漫画との出会いと同時に、新たな販売手法を知ることも、個人的な楽しみの一つとなっているのだ。
Amazon Campaign
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