Kindle電子書籍で手軽に読めるこの漫画がすごい:思わずハマったコミック12選
「電子コミックの時代がやってきた」でも紹介したように、日本ではとくに電子コミックが現在の市場を牽引しているという特徴があり、その電子コミック市場拡大の勢いはとどまることを知らない。そしてその背景には、電子化によって新しい読者を獲得しているということがあるように思うのだ。
というのも、以前に「Amazonキンドルが広げたコミック市場:ふだん漫画を読まない僕が鈴木みそにハマった」で書いたように、これまであまり漫画を読んでこなかった僕が思いのほかハマってしまったのが、この電子化のせいなのである。手軽にダウンロードでき、置き場所にも困らない電子書籍はそれだけでも便利なのだが、その上値段が安いことが多く、そのせいでついつい面白そうな書籍や漫画を試し買いしてもいいかな、という気になってしまうのである。加えて電子コミックの場合、おすすめ無料コミックが続々と投入されるものだから、第1巻を無料で読んでみたら面白くて、第2巻以降を有料で購入してしまうということがこれまで多々あったわけのである。
さて、そんな風にして電子コミックの世界にうっかり足を踏み入れてしまった僕自身がこれは面白いと思った漫画を以下で紹介してみたい。この機会にぜひ読んでみて欲しい、絶対はまると思うよ。
まずは何と言っても、先日発売された第9巻で完結した『幽麗塔』。こんなにも続きが気になって貪り読んだ漫画もひさしぶりだ。スピード感のあるサスペンス、意外な物語展開、そしてエンディングと、読後感の満足度が極めて高い作品だった。そして「おすすめKindleコミック『幽麗塔』(原作は『幽霊塔』):この漫画の売り方と売れ方がすごい」でも書いたように、なるほど電子書籍・コミックというのはこうやって売るのかと、そのマーケティング手法についても非常に勉強になった漫画なのである。まだ読んだことのない方、これはイチオシです。
続いてこちらも珠玉のサスペンス『予告犯』。すでに全3巻で完結しているが、「WOWOW「連続ドラマW」今月の新作『予告犯』がスリリングに始まった」でも紹介したように、現在映画化のみならずWOWOWでドラマ放送が始まったところ。おもしろい。
さて、『幽麗塔』が完結してしまった今、個人的に続きが最も気になるのがこの『僕だけがいない街』。やばい、おもしろい、早く新刊出して・・・、と読者を中毒にさせるほどの巧みなストーリー展開。続刊が楽しみでしかたない。
もう一作、続きが読みたくなる作品がこちら『ぼくは麻理のなか』だ。鬼才・押見修造の最新作はこの後いったいどう展開していくのか、そして最後はどう着地させるつもりなのか、今から気になって気になって仕方ない。
そんな押見修造を僕が初めて知ったのが、この『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』という漫画だった。読んで衝撃を受けたのが、これが吃音(どもり)をテーマとした作品だったということ。「教科書になるプレゼン|吃音のミュージシャンが語る私の言葉」でも紹介したように、吃音を扱った小説や映画はそれなりに存在する。しかし、どもる主人公を登場させた漫画があったとは。僕はそのことに改めて、日本の漫画作品の豊かさを感じたのである。1巻のみで完結するこの短編は、もっと広く読まれて欲しいと思っている。
もうひとつ、1巻のみで完結する短編漫画としておすすめしたいのが『夕凪の街 桜の国』である。広島に原爆が落とされてから10年後を舞台に、その後遺症に苦しむ女性を描く。日本の夏は、今も昔もそしてこれからも終戦の夏である。当時を知る人や語る人が少なくなっていくからこそ、こうした漫画作品が後世にまで残って読み継がれるべきなのだろう。
『乙嫁語り』も思わずハマってしまった漫画のひとつ。「おすすめKindleコミック『乙嫁語り』は2014年のマンガ大賞受賞作」でも紹介したように、中央アジアの遊牧民に焦点を当てるユニークさと、巧みなキャラクター設定と精細な人物描写、そして食事や衣服や住居から当時の生活が匂い立つようなリアルさ。僕はこれで一気に中央アジアに興味がわいた。というか、これを読んで中央アジアに行ってみたいと思わない人などいないだろう、と感じさせるほどに、著者の当地への愛に溢れた素晴らしい作品なのである。
電子コミックの素晴らしさのひとつは、先程も書いたように無料試し読みの機会が多いことである。だから普段は読まないような作品にもついつい手を出してしまい、そしてまんまとハマってしまうのだが。そのようにして読み始めてしまったのが、グルメギャグ漫画の『食の軍師』。『孤独のグルメ』の作者が放ったこの最新作は、なんと「至高のグルメ(ギャグ)漫画『食の軍師』を、TOKYO MX がまさかのドラマ化」でも紹介したように、ドラマ化までされてしまったのだ。漫画自体も、ついつい吹き出しそうになるほどのギャグ満載で、うっかりとまあ楽しく読んでしまったじゃないか。
続けて紹介したのが、『銀と金』。福本伸行による作品としては『カイジ』『アカギ』『黒沢』あたりが人気なのは分かるが、個人的にはこの『銀と金』が最も印象に残る名作だと思った。素晴らしく味わい深い漫画なので、ぜひともこの機会に読んでみて欲しい。
そして最後に言わねばならないのは、やっぱり手塚治虫は偉大な漫画家だということ。「人生で大切なことはブラック・ジャックに学んだ」や、「人生で大切なことは『アドルフに告ぐ』にも学んだ」にも書いたように、僕はそして恐らく多くの人は、手塚作品に多大な影響を受けていることだろう。そしてそんな数々の名作がいま、Kindle で蘇ったのである。こんな素敵なことがあるだろうか。
そしてKindle では、「手塚治虫コミックス」と題して過去の名作を一気に配信しているのである。これはもう、現代においても何度も繰り返し読まれて欲しい作品ばかりなのである。
というように、過去の名作漫画から、つい先日完結したばかりの作品、そして現在続刊中の話題作まで、それこそバラエティ豊かな漫画がKindleには揃っている。この機会にぜひ読み返してみたり、新しくハマってみたりしてはどうだろうか。
Amazon Campaign
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